この金のウニ型のナノ粒子は木の葉の中で通常光を吸収するある種の材料を発光材料に転換するカギとなる。植物の葉が緑色なのは、光合成を促進する色素の葉緑素が特定の波長の光を吸収するためだ。紫外線に触れた時など特殊な環境下では、葉緑素自身も発光する。波長の長さが約400ナノメートルの光に触れると、緑色の葉緑素は赤い光を放つ。
しかし紫の光を、特に夜に得ることは難しい。発光する木の葉は運転手や通行人に照明を提供しなければならないのだ。科学者は紫の光源を捜し求め、ついに金のナノ粒子の中にそれを発見した。人の肉眼では見ることのできないより波長の短い光が金のナノ粒子に接触すると、その刺激で紫の光を発するのだ。紫の光が近くの葉緑素分子にあたると、葉緑素が赤い光を発する。
この研究成果は雑誌「Nanoscale」で発表された。科学者たちは金のナノ粒子を木に植え付け、十分な光を発生するようにして、街路灯の代わりにしたい考えだ。メリーランド大学の科学者によると、こうした成果は彼らの研究対象である水生植物の一種にしか見られないと述べている。もっともこれを陸上の街路樹に応用することも全く不可能というわけではない。「もちろん街灯にすることもできるだろう。しかしその夢を実現するには、まだ長い道のりが必要だ。」(編集YH)
「人民網日本語版」2010年12月3日