2.米カリフォルニア州、謎のミサイル発射事件
11月初め、とあるニュースキャスターがこのような映像を入手した。映像にはカリフォルニア州の海岸から発射されたと思われるミサイルが映っていた。正体不明の物体は海岸からゆっくり飛び立ち、長い軌跡を空に残した。数時間もしないうちにこの映像はネット上で大きな話題を呼び、注目のネタになった。方々で陰謀説がささやかれ、政府関係者でさえ訳が分らず、異常事態は起きていないと伝えることしかできなかった。たった1日で謎の事件となり、専門家がこれは日が沈むときの一種の光学現象が引き起こした幻であると分析してやっと事態が終始したのだった。事の真相を明かすと、ミサイルと言われたものは真上に向かって発射されたものではなく、ただ東北の空高くを貫いていた一筋の雲のような物体に過ぎなかった。ミサイル発射事件の謎はすぐに解き明かされ、アメリカの国家安全や国民の生活が脅かされたなどと言うありもしない噂も自然に消え、ただの笑い話になった。