全国人民代表大会(全人代)常務委員会は20日、刑法改正案(八)草案を審議した。同草案では食品安全汚職犯罪の刑事罰条件を改定し、食費安全監督管理汚職罪を単独で明記することで、食品安全という重大な民生問題に対する刑法による保護を強化している。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
草案に追記された条項は「食品安全監督管理の職責を有する国家機関職員は、職責を軽視あるいは職権を濫用(らんよう)し、重大食品安全事故もしくはその他の深刻な結果をもたらした場合、5年以下の有期懲役あるいは拘留に処する。とりわけ深刻な結果をもたらした場合は、5年以上10年以下の有期懲役に処する」としている。
中国ではここ数年、食品安全事件が相次ぎ、食の安全に対する不安が高まっていた。中でも「三鹿ブランド粉ミルク事件」は中国国民にとって永遠に忘れることのできない心の傷となっている。
同事件では監督管理不行き届きにより、国家質量監督検験検疫総局(質検総局:品質管理部門)の李長江・局長(当時)が引責辞任、河北省石家庄市共産党委員会の呉顕国・書記、冀純堂・市長、および牧畜管理、食品薬品監督、品質監督などの部門の責任者も罷免あるいは辞職した。
全人代常務委員会法制工作委員会刑法室の関連責任者は「食品安全監督管理部門による汚職行為は元来、刑法において職権濫用・職責軽視罪に適用されるが、今回の単独追記で食品安全監督管理汚職行為に対する刑事責任をより強化し、同時に刑法改正において民生保護の中核と意図をより力強くする」と述べている。
「人民網日本語版」2010年12月22日