2011年の全国大学院統一入学試験が15、16の両日行われ、151万人が受験した。受験者数は前年より11万人増え、2001年以来の新記録を更新した。その一方、大学受験者数は2年連続で減少しており、2010年は前年より約74万人少なかった。
06年から10年までの大学院受験者数はそれぞれ127万1200人、128万2000人、120万人、124万6000人、140万人と、2008年にやや減少したほかは、2001年以降増加の一途をたどっている。なかでも2011年の即戦力型の人材を育成する専門大学院の受験者数は30万5千人と昨年を大きく上回った。一方、大学受験者は09年から減少しており、この状況は2018年まで続くものとみられている。
大学生の間では、大学院進学によっていい就職を勝ち取る競争力をつけることができるという考えが広まっていることから、今後も「大学院進学ブーム」は冷めそうもなく、すでに就業動向の物差しとなっている。大学院受験の主力は依然として大学卒業前の学生だ。統計によると、2010年の全国の大学卒業生は630万人と前年を約20万人上回った。
これについて専門家は、大学院受験者数の増加は、大学卒業を前にした学生が自らの将来に対してはっきりとした目標をもち、この目標を目指し、大学院の段階を利用して学習や実践を積み、卒業後に理想の仕事に就こうとしているためだと分析する。
一方、大学受験者数が年々減少しているのには他に原因がある。中国の出生率は1991年にピークを迎え、その後、全国の新生児数は2000年まで減少し続けた。このため大学受験適齢人口の減少はあと8年は続くものとみられる。高校卒業生数の減少に加え、留学や就職などへの流れも、大学受験者数減少に拍車をかけている。調査機関マイコスの専門家は、受験者数の減少は、中国の大学の「生態圏」が改めて大きく再編されるということだと指摘。「中国の高等教育のターニングポイントがそこまで来ている。10年間続いてきた高等教育の『高生長』が終わりを告げるかもしれない」と話した。
これに対し、教育部高等教育機関学生司の姜鋼曾副司長は、適齢人口総数の減少が大学受験者数減少の直接の原因だと説明。国家統計局の年報によると、現段階の進学適齢人口は減少し続けている。08年から10年までの高校卒業生はそれぞれ849万人、834万人、803万人。このすう勢が大学受験に短期的な影響を与えるものとみられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月17日