住房・城郷(住宅・都市農村)建設部(住建部)はこのほど、今年は前年比580万棟(70%)増の1千万棟の保障性住宅(低・中所得者向け住宅)を建設する計画だと明かした。この面積は、2010年年間の分譲住宅供給面積にほぼ匹敵し、過去数年来の最大規模となる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
専門家によると、保障性住宅1千棟建設計画は、住宅保障体制の構築に本腰を入れ、ペースも加速させようという政府の意気込みが示されているという。政府は今後数年間、中・低所得世帯、農民工(農村から都市に出て働く臨時就労者)、大学卒業生、バラック居住世帯、農村部危険住宅居住世帯などの住宅確保困難層に対し、困難さの程度や経済的な負担能力に応じた保障性住宅を提供する方針。
上海では、低家賃住宅の入居条件となる収入基準が、すでに5回にわたり緩和された。1人当たり月収上限額が、都市・町部「低保障住宅」基準の320元から1100元に、所有財産上限額は3万元から12万元に、それぞれ引き上げられ、同基準以下の収入層に対し、「保障が必要な者に、行き届いた保障を行う」方針を徹底、7万世帯以上に対する低家賃住宅の供給を実現した。 経済適用住宅の入居基準も、1人当たり月間可処分所得が2300元から2900元に、1人当たり財産保有額が7万元から9万元に、それぞれ緩和された。公共住宅は「収入基準」を設けず、上海に自家用住宅がない、もしくは住宅面積が15平方メートル以下の、上海の雇用者と一定期間の労働契約を取り交わした住民は全て、入居申請が可能。
業界アナリストによると、保障性住宅の建設・竣工ラッシュが始まると、政府主導の分譲住宅が一挙に住宅市場に入り込み、不動産市場は「一般分譲住宅と保障性住宅」という「二軸時代」に突入するという。
政府による不動産市場抑制措置は、昨年以来強化が続いているが、住宅価格は依然高いままだ。専門家は、「二軸時代」に入ると、政府が供給する「保障性住宅」が住宅市場での主要供給源となり、市場コントロールのための強力なツールとなり、住宅価格の抑制に効果を発揮し、不動産市場が次第に理性を取り戻すことに有利に働くと指摘している。
中原地産の報告書によると、「保障性安居プロジェクト」住宅建設規模は2008年以来毎年、スピード倍増で拡大しているが、住建部が今回発表した2011年保障性住宅1千万棟建設計画は、予想をはるかに上回る大規模なものとなった。全体計画にもとづき、各省・自治区・直轄市も続々と同プロジェクト建設計画の調整拡大を発表した。「十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)」期間の保障性住宅建設が全体の60%、あるいはそれ以上を占める地方も少なくない。中国ではこれから2,3年間、「保障性住宅」の建設ラッシュが続く。
「人民網日本語版」2011年1月17日