北京・上海では、世界最先端の品をどこでも見ることができるが、中国全体の水準を代表している訳ではない。中国の科学者が17日に発表した「中国現代化報告2011」(以下「報告」)は、現在中国は初期の先進国に属し、発展途上国の中間レベルにあると指摘した。中国が第一次現代化(農業文明から工業文明への転化)を果たすのが2015年頃と見込まれ、中国全土が先進国の1960年の水準に到達する。
「報告」は中国科学院中国現代化研究センターが10年以上の奥深い研究を経てまとめた。
100カ国以上を対象に行った分析の結果「報告」は、2005年に人口が100万人を超えた国のうち約20カ国が先進国となり、その他は発展途上国であると指摘する。「米国など20カ国以上はすでに第二次現代化(工業文明から知識文明への転化)に入っている一方、中国など90カ国以上は今なお第一次現代化にある」としている。本報告を行った研究員は、技術進歩推進において、先進国は主に革新により、その「革新80%、学習20%」を実現していることを発見した。しかし発展途上国では、中級レベルの発展途上国の技術進歩は革新40%、学習60%に依存、初期の先進国は革新20%、学習80%に依存している。
「現在の中国は、初期先進国(発展途上国の中間レベル)に属している」。これが「報告」の結論だ。「報告」は、2008年に中国の第一次現代化水準は89%、世界131カ国で69位としている。2009年には中国の第一次現代化水準は92%に達したと見込まれるが、国内地域間で著しい発展の不均衡が存在する。「10指標のうち、医師比率、平均寿命、乳児生存率、成人識字率、大学普及率、農業増加値(生産額から総コストを差し引いた額)比率の6指標はすでに基準を満たしているが、1人あたりの国民所得、農業労働力比率、サービス業増加値比率、都市人口比率の4指標は基準を満たしていない」。
「報告」は、1980-2008年の発展ペースに基づき推算すれば、中国の第一次現代化達成には残り7年が必要で、2015年頃に第一次現代化が完了、先進国の1960年の水準に達すると示している。
国内地区別では、中国大陸部の現代化発展には極めて不均衡が存在する。「報告」は2009年、大陸部のうち、北京、上海、天津の第一次現代化水準は100%、浙江など11地区は90%以上(100%未満)、黒竜江など16地区は80-89%と記している。広東は9指標が到達、江蘇・浙江・福建は8指標、遼寧・吉林・黒竜江・内蒙古・重慶は7指標、湖北・河北・山西・安徽・河南・陝西・海南・甘粛・寧夏は6指標をそれぞれ満たしている。
「人民網日本語版」2011年1月18日