中国公用電子パスポート試行発給開始式典が30日午前に北京で行われ、外交部の楊潔チ・部長が発給開始ボタンを押した。「人民日報」が伝えた。
公用電子パスポートに内蔵されたインテリジェントチップには所持者の基本情報、および容貌など生体的特徴が記憶され、偽造防止力が高まり、スピーディーに出入国できる。今回の試行的発給により、中国公用パスポートの利用および技術は新たな発展ステップに入った。
電子パスポート、すなわちE-Passportとは、パスポートに極めて小さなインテリジェントチップが組み込まれている。チップの入ったページ内部には、氏名、性別、生年月日、出生地など、所持者のデジタル化された基本情報のほか、パスポートの有効期限、発給年月日、発給地など、さらに容貌、指紋、虹彩(こうさい:角膜と水晶体の間にある薄い膜)など所持者の生体的特徴が記録される。専用の読取り機でこれらの情報が識別され、所持者の身分を認証できる。
中国の公用パスポートには外交パスポート、公務パスポート、公務普通パスポートがある。外交部は2007年から公用電子パスポートプロジェクトに着手、すでに発給能力は基本的に整った。電子パスポートは物理的偽造防止、美術デザインなどで従来のパスポートから全面的に刷新され、中国的要素を豊かに含み、なおかつ国際・国内基準の安全管理システムに適合すべく開発された。
「9・11」米同時多発テロ事件以降、各国は安全意識を高め、電子パスポートを続々と採用し出入国管理を強化している。2008年、国際民間航空機関(ICAO)は生体認証情報に関するパスポートへの記憶種別、記憶方式、データロジック構造、基本構造などを明確に定め、昨年末現在、全世界で90以上の国と地域が電子パスポートを採用している。
*チ:「たけかんむり」に「褫」のつくり
「人民網日本語版」2011年1月31日