2011年全国両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)が3月初めに北京で開催される。国民が最も関心を寄せているのはどんな問題なのだろうか?
人民日報政治文化部と人民網はこのほど、国民が最も関心を寄せる両会の議題に関する大規模なオンライン調査を共同で実施した。
今回の調査は、社会保障、司法における公正、個人所得、腐敗撲滅・廉潔政治の提唱、医療改革、住宅価格の抑制、物価の抑制、食品衛生安全、環境汚染、教育改革、就業問題、民主的法制度の建設、強制立ち退きへの法的介入、個人所得税改革、戸籍改革、交通の管理整備、国際的地位、ネット上の誠実信用システムというキーワード18項目を対象に実施された。
17日午前8時の時点で、「最も関心ある2011年重要問題は?」の問いに対し、6536人が「医療改革」と答え、第6位。上位5項目は順次、「社会保障」「司法における公正」「個人所得」「腐敗撲滅・廉潔政治の提唱」「環境汚染」だった。
「医療改革」項目に回答した延べ5063人のうち、「診察代が非常に高い」と答えた人は70%、「診察代は高いとは思わない」は1%だった。受診しづらい理由として、「診察代が高い(70%)」、「質の高い医療サービスは都市でしか受けられない(64%)」、「手術を受ける前に袖の下が必要(47%)」などが挙がった。高い診察代に関する要望は、「検査費や治療費を下げてほしい(21%)」、「医療保険加入対象を拡大し、保険負担率を高めてほしい(19%)」、「薬価を下げてほしい(15%)」など。
公立病院改革の難しい点については、「薬を医で養う(医薬品の利潤で病院経営を支える)体制を打ち破ること(46%)」、「基本医療の公益性と医療従事者の積極性のバランスを保つこと(22%)」などの声があった。また、医者と患者の関係に関しては、「医師の道徳的教養を高める必要がある(47%)」、「誤解が生じないよう、医師患者への病状説明にがもっと多くの時間を割いてほしい(18%)」。医療改革の効果は、「ほぼ効果は見られない。受診しづらく薬代が高い状況は変わらない(60%)」、「ある程度の効果はあったが、『受診しづらく、診察代が高い』状態は根本的に変わっていない(34%)」などが挙がった。
過去数年の両会調査における「医療改革」ランキングは、2010年が2万8767人で第8位、2009年が7万7345人で第3位。
「人民網日本語版」2011年2月18日