漢方医学(伝統中国医学)の「国外熱・国内冷(海外ではブーム、国内では不人気」という近年の状況が、だんだんと変わろうとしている。中国青年報社会調査センターが2580人を対象に実施したオンライン調査では、漢方医学が「人気がある」または「非常に人気がある」と答えた人が63.6%に達した。
「病気になった時、漢方医にかかるケースは?」の質問に対し、「いつも」あるいは「時々」が67.9%を占め、「めったにない」が24.6%、「まずあり得ない」が7.4%だった。
昨年9月に発表された「漢方医薬への大衆の認知度に関する調査報告」によると、「漢方医薬の発展に関心がある」人は90%、「漢方医にかかる、あるいは漢方薬を服用した経験がある」人は88%だった。
今回のオンライン調査では、「漢方ブーム」の理由として、「漢方薬は副作用が少ないから」とした人が42%、「伝統文化が見直されている今、伝統中国医学がその一つとして重視されているため」と答えた人は37.9%だった。
「中国文化ソフト・パワー発展戦略研究」研究課題チームが昨年、全国2千人の大学生を対象に調査を行った。これによると、中国文化要素270項目ランキングのうち、「漢方医学」は第6位に入った。さらに、「最も普及する価値ある中国文化要素調査」では第3位にランクインした。
「漢方ブーム」は、国家がここ数年、漢方医薬事業を重視して普及を進めていることとも関係がある。国家漢方薬管理局の王国強局長は、「2010年中国中医薬工作会議」で、「中央財政による漢方医薬への2010年投入資金は52億4300万元に達した。この資金は、漢方医薬サービス力の向上と漢方医薬事業の発展を目的として、国家級漢方医薬臨床研究基地16カ所、地級・市級以上都市の重点漢方医院41軒と県級漢方医院147軒の建設に運用された」と話した。
「人民網日本語版」2011年2月24日