中国高速鉄道の成功をうけ、世界では現在、高速鉄道ブームが起きている。世界はまさに「高速鉄道時代」に突入したといえる。
2011年1月、アメリカのオバマ大統領は一般教書演説の中で中国の高速鉄道プロジェクトを高く評価した。オバマ大統領は「中国はより速い鉄道、より新しい空港を建設している。アメリカも中国を見習わなければならない」と述べた。また、オバマ大統領は、今後25年間で、国民の80%が高速鉄道を利用できるようにするとの考えを示した。
アメリカ政府は6年間で総額530億ドルを投じて高速鉄道の整備を進める計画を国会に提出する準備を進めている。この計画に対し、カリフォルニア州が最も積極的な姿勢を示している。カリフォルニア鉄道管理局はこれまでに、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴを結ぶ約1280キロの高速鉄道に関する入札募集を行っており、現在までに日本、ドイツ、フランスなど多くの国の企業が入札への参加を表明している。
また、イギリス政府も今後15年以内に新型高速鉄道の建設し、最高時速225マイル(約362キロ)の列車を普及させる計画を進めている。フランスも2020年までに高速鉄道の全長を現在の倍の2500マイルに延長する計画を打ち出した。スペインは2010年に日本を越える世界最大の高速鉄道網を建設する計画を打ち出し、ポーランドは2014年に国内初となる高速鉄道を建設し、計画では2020年に完成するという。
アラブ諸国も路線数18本、全長3.3万キロの高速鉄道網を建設中で、今後20年以内に完成する見込みだという。
計画では、カタールとクウェートの2カ国がそれぞれ100億ドルを投じ、国内に鉄道網を建設する。アラブ首長国連邦は200億ドルを投資し、LRT、高速鉄道、地下鉄を複合させた立体鉄道運送網を建設する計画を打ち出している。サウジアラビアは150億ドルの鉄道拡張計画を打ち出し、国内の総延長距離を5倍にする。
各国がこれまでに発表した計画を総合すると、2024年に世界の高速鉄道の全長は4.2万キロに達する。つまり、2010年~2024年までに1.9万キロ前後の路線が新たに建設されるということである。予想では、海外における高速鉄道の投資総額は2020年までで8000億ドル、その内、欧米の先進国家による投資額は1650億ドルである。また、他の産業を含めた経済効果は7兆ドルに達すると見られている。中国の高速鉄道はこれまでにない海外進出のチャンスを迎えることになりそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月28日