全国政協委員を務める国家衛生部の黄潔夫副部長は、7日に開かれた聯組会議で、国内で有名な神経外科医で、香港鳳凰衛星テレビの司会者・劉海若さんを脳死状態から奇跡的に救ったとされる凌鋒委員からの質問に対し、「脳死判定基準に関する法律の立法化については、中国はまだその時機ではない」と話した。「人民日報」が報じた。
黄副部長の談話内容は以下の通り。
脳死は、人間の死に関する最も科学的な判定基準とされ、世界約90カ国で認められている。我が国においては、1980年代から脳死判定基準の立法化について議論を重ねているが、立法化の目途は、まだ立っていない。
国内医師の90%は、脳死判定基準について正確な知識を持っていない。一般の人々は、脳死に対して誤った認識を持っており、臓器移植と脳死を一緒にしている、あるいは植物人間状態や安楽死と脳死を同一視しているため、脳死を人の死として認めようとしない。差し迫った医学の現状を考えると、脳死判定基準の立法化に関する議論を、国内で今すぐに行うことは、妥当とは言えない。
凌鋒医師を中心に、全国統一の脳死判定基準の決定機関を立ち上げ、全ての病院勤務医をトレーニングし、機が熟すのを待って、脳死関連法を立法化するべきだ。
「人民網日本語版」2011年3月8日