日本が低濃度放射能汚染水を海に破棄していることについて、多くの中国人は、中国に何らかの悪影響が及ぶのではないかと心配している。中国疾病予防コントロールセンター放射線防護・核安全医学所の所長を務める衛生部核事故医学応急センターの蘇旭主任は、「福島原子力発電所付近の海洋汚染はかなり深刻な状況だが、現時点で中国近海には影響は及んでいない」と語った。光明日報が伝えた。
蘇主任のコメント内容は以下の通り。
各種報道によると、日本政府は、高濃度汚染水の保管場所を確保するため、低濃度放射能汚染水を海に破棄しているという。たとえ低濃度でも、環境や海洋に放射性物質を放出すべきではない。
国家応急協調委員会による統一指揮のもと、国務院各部門は整った応急観測・評価システムを構築した。このシステムに基づき、環境保護部、衛生部、海洋局、気象局の各部門が、それぞれの職責に応じた分業により作業を進めており、海洋・環境への影響については、主に環境保護部と海洋局が全体評価を行っている。専門家によると、大気中に放出された放射性物質は、風向きと環流の方向へかなり速いスピードで拡散するが、海洋中に放出された放射性物質の拡散はそれに比べるとゆっくりしているという。海洋の海水量は極めて多く、放射性物質は拡散プロセスで海水の上下動に伴い絶えず沈下を繰り返し、ある程度移動すると検出不可能となる。従って、これによる影響については心配には及ばない。
「人民網日本語版」2011年4月12日