国連児童基金(ユニセフ)の年度報告書「2011年世界児童状況(中国語版)」が18日、北京で発表された。「チャンスに満ちた青少年期」をテーマとした同報告書の発表主旨は、社会が世界の青少年(10-19歳)12億人に対してより高い関心を向けてもらうことにある。中国青年報が報じた。
ユニセフのアンソニー・レーク(Anthony Lake)事務局長は「国際社会は子供に高い関心を寄せているが、青少年が置かれている立場に対する配慮に欠けている。しかし、子供の世界から成人の世界へ移る過渡期にある青少年は、教育から生存に至るまで、多くの課題に直面しているのが現状だ」との見方を示した。
統計データによると、2009年の時点で、世界の青少年人口は、1950年から倍増、12億に達し、世界の総人口の18%を占めるに至った。青少年の88%は発展途上国で生活しており、半数以上が南アジア、東アジア、太平洋地域に住んでいる。しかし、中国国内に目を転じると、青少年が人口全体に占める割合は、2000年の18%(2億2800万人)から2009年には13%(1億8千万人)にまで落ち込んだ。この年齢層の人口が減少し、国内労働力市場が技術レベルの低い産業から高付加価値産業の産業へ雇用が転換したことに伴い、次世代の労働力となる青少年に十分な教育、衛生保健、社会福利サービスを提供することが、特に重要な課題となっている。
ユニセフ駐中国事務所のGillian Mellsop代表は、「中国経済全体が安定的な発展を遂げている点から見て、青少年は極めて重要だ。我々が、彼らの10代の人生について真剣に考慮しなければ、最初の10年間に力を注いできたことが台無しになってしまう」と話した。
中国では、性差という要素が青少年の全体的成長に大きな影響を及ぼしている。現在、新生児の男女比率は118対100にまで達した。このままでは、女の子の数が減り、社会に深刻な影響を及ぼすことになる。また、青少年期の男の子と女の子が同等の教育を受ける機会と職業選択の機会を得られるように図り、都市化プロセスで見られる農村留守家庭の少年と都市に流入する少年の基本的権益を確保することも、中国政府の差し迫った課題となっている。
「人民網日本語版」より2011年5月20日