職場恋愛については、長く「ノー」の声が多かった。会社が「禁止」を明記していなくとも、「反対もしないが、薦めもしない」の中立的態度が最も多い。こうした中、逆に「カップルのみ採用」を明確に打ち出す企業もある。あるネットユーザーはこのほど、独り身を理由にこの会社に採用されなかった。彼は面接の経緯をBBSに書き込んだところ、瞬く間に熱い議論を呼んだ。「揚子晩報」が伝えた。
記者は書き込みをした曽さん(23)を取材した。曽さんは「間違いありません。絶対に真実です」と真剣に語る。
曽さんが応募したIT企業を記者は訪ねた。「就職応募ですか?あれ、また一人?」。記者を前に、一人の若い男性が笑って尋ねた。彼は同社の孫ケイ・総経理(社長)。孫総経理は、同社に前述の規定があるのを認めた。ただ、これは総経理の個人的な考えによるものだ。数年前、孫総経理が大学を卒業したばかりの頃、四川省成都で就職活動をした。当時のガールフレンドは省内の綿陽で働いていた。月日が経ち、距離的にも離れ、さらに二人に共通の交友関係と話題が徐々に少なくなる中、最終的に別れた。昨年6月、30歳を目前に孫さんは同社を自力で立ち上げた。当時抱いていたのが、以前の自分のように愛情と仕事の両立に苦しまないよう、カップルに適した職場環境をつくりたい、との思いだ。
これについてヒューマンリソース専門家の古絹・氏は、同社については起業初期の段階で、カップル限定の採用で社員を安定させることは、カップルの間の息がよりぴったり合うようになり、協調性やチームワークが高まり、共通の価値観を育むことができ、会社の調和につながる、と指摘する。しかし会社の発展に伴い、職場恋愛の弊害が現れる可能性もある。しかも職場恋愛は相乗効果が生まれることもあれば、効果が半減することもある。二人がもし同時に会社を離れれば、会社にとって二重の損失となるからだ。
*ケイ:「めへん」に「揆」のつくり
「人民網日本語版」2011年5月24日