米華字紙「星島日報」は、ニューヨークに移住した華人はますます増え、新しい母親と新生児のケアに関するニーズを満たすため、ニューヨークに「産後ケアセンター」が次々と設立され、繁盛していると伝えた。しかし、「産後ケアセンター」の利用者のうち、何人が子供の米国籍を獲得するために中国からニューヨークに渡ったのかはわかっていない。
「産後ケア」は華人女性の伝統である。「ニューヨーク・タイムズ」の報道によると、これらの「産後ケアセンター」のサービス対象は主に中国系の中産階級の女性移住者だ。近ごろ、米国で出産して子供の米国籍を獲得するのが人気となっており、ケアセンターにはこのような中国人女性もいる。
「産後ケアセンター」の多くは違法経営で、インターネットと中国語メディアに広告を出している。多くの利用者が新しい移住者だ。利用する理由は、おそらく故郷にいる母親が米国ビザを取得できずに産後ケアの手助けができない、または自分でするのが面倒で、「産後ケアセンター」ではもっとよいサービスが受けられるためと考えられる。
ニューヨークの華人が集まる地域だけで、少なくとも4軒の「産後ケアセンター」がある。費用は1500ドルから3000ドルだ。
このような経営方式が合法的かどうかについて、ニューヨーク州衛生部のスポークスマンは、医療サービスを提供しなければ許可証を申請する必要はないとしている。しかし、ニューヨーク衛生局は、これらの「産後ケアセンター」に関する情報は掌握していないという。
利用者の何人が子供の米国籍を獲得するために中国からニューヨークに出産しに訪れたか、これらのセンターは原則として回答しない姿勢をとっており、母親と新生児のケアをするだけで、利用者の経緯は問わない考えだ。しかし、「産後ケアセンター」のウェブサイトには北京の電話番号が掲載されている。 このような情況が現れる理由は、中国の富裕層の妊婦が米国人の母親になるために米国を訪れているためとの見方がある。彼女たちの子供は、米国の法律に基いて米国ビザを取得し、米国公民の福利を受けることができる。
報道によると、これらの裕福な妊婦は北京、上海、広州などの大都市の出身者だけでなく、東北の延辺、南西の貴州などからも多くの妊婦が出産のためニューヨークに渡っている。
市場ニーズがあるため、米国での出産はすでに1つのビジネスになっている。中には、妊婦を対象としたビジネス観光ビザを取り扱い、彼女たちにどのようになりすまし、税関で受け答えするかを教える人もいる。しかし、米国は近ごろ、このような情況に注意を払うようになり、南カリフォルニア州政府は今年3月、中国人妊婦の出産のための米国行きを手助けするあるセンターに営業禁止を言い渡した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月8日