北京市通州区宋荘鎮にある違法ゴミ処分場 |
中国のネット上でこのほど、「ゴミに包囲された北京?あるカメラマンが収めた映像」と題する書き込みが関心を集めている。映像を目にした多くの人が、北京周辺でのごみ不法埋め立ての現状に驚くと同時に、中国の現在のゴミ処分方法に疑問を投げかけた。ゴミはただ焼き払うか埋めるかしかできないのだろうか?新華社が伝えた。
天涯フォーラムに掲載されたこの書き込みへのアクセス数は13万回を上回り、コメント数は700件以上に達した。
ごみが満杯に埋められた深さ数十メートルの大きな穴、ごみに囲まれて暮らす人々、ゴミ焼却でもうもうと立ち込める煙、一帯を飛び回る蚊や蝿、ゴミの中から食物を探す乳牛・・・・・・。カメラマンが撮影した画像は、この驚くべき真実を無言で語りかける。長年「北京のゴミ」を撮り続けてきたカメラマン・王久良氏は、衛星地図の上に、違法ゴミ処分場に黄色でマークをつけた。北京の中心市街地域を囲んでマークは隙間なく並び、黄色の「7環路」を形成した。
憂うべきことは、「ゴミに包囲された都市」は北京だけではないという現実だ。人口が集中し、土地資源がひっ迫している大・中都市のほか、全国の多くの地方で、これはすでに避けては通れない問題となっている。
中山大学政治・公共事務管理学院の岳経綸教授は「現在、ゴミ処分のための国家予算のうち95%は、焼却施設や埋立場の建設などの末端処理に用いられているが、破棄、分類、回収、貯蔵、輸送、管理、再利用などの全段階作業に対する予算は極めて少なく、これら各段階の作業は、整備された状態からはかけ離れている」と指摘した。
ネットユーザ「アンデルセン」さんは、「最上策は、ゴミを出さないあるいは減らすことで、次の策は、ゴミの資源転化だ。無害化処理率100%を目指してゴミ無害化工場を建設することは得策とは言えない」と提案している。専門家によると、都市計画を作成する段階で、ゴミ回収・処理を統一させた計画案を作り、ゴミ処理問題を全体的に検討する必要があるという。
「人民網日本語版」2011年6月27日