ベッドから息子の陳至軒君を見つめ微笑む呉菊萍さん |
2歳の女の子が10階から墜落した!落ちた瞬間、近くを通りかかった見ず知らずの女性がとっさに駆け寄り、両手で女の子を受け止めた。瞬間的に大きな衝撃を受けたこの女性の腕は粉砕骨折したが、この勇気ある行動のお蔭で、女の子の幼い命が助かった。
10階から落ちた女の子を受け止めたこの女性は、初めて母親になって間もない呉菊萍さん。呉さんはネットユーザから、「最も素晴らしい母」とたたえられている。自分の身を顧みない献身的な行為について、呉さんは「これは本能によるもので、母親なら誰でもそうする」と話している。
▽女の子、家の中に一人 出窓によじ登る
2日の昼ごろ、ちょうど昼休みどきで、杭州一区はまるで昔のように静かな佇まいを見せていた。突然、22棟の10階から、「大変!子どもが落ちる!」という叫び声が聞こえた。助けを求めたのはその階に住む女性だった。隣の部屋の子どもが、家の中に誰もいない隙に、出窓によじ登ったらしい。両手で窓枠をつかみ、両脚は空中にぶらぶらしている。今にも落ちそうだ。階下の住人がはしごをすぐに取り出し子どもを受け止めようとしたが、2分も経たないうちに子どもは耐えきれずに手を離した。
人々が最悪の事態を予想したちょうどその時、通行中だった女性がハイヒールを脱ぎ捨て、ビルの下目がけて突進、両腕を空に向かって広げた。
「パン!」と大きい音がして、女の子の身体は女性の左腕の上に落ち、その勢いで傍の芝生に放り出された。女性も、大きな衝撃を受けて倒れ込んだ。
3日午後、記者は杭州富陽市中医骨傷病院3階病棟に入院中の呉菊萍さんに面会した。呉さんは、その勇気ある行動でネットユーザから「最も素晴らしい母」とたたえられている。ベッド脇の患者カードには、「呉菊萍。1980年生まれ。左前腕橈骨(とうこつ)に多数の粉砕骨折」と書かれていた。
一命を取り留めた女の子は、手術を受け、救急重症病棟で治療を受けているが、今のところ命には別条はないという。
「人民網日本語版」2011年7月4日