前にこのような有名な笑い話があった。日本サッカー協会の会長が、日本代表がワールドカップで優勝するまでにどれくらいかかるか神に問うと、「あと100年」という答えが返ってきた。日本サッカー協会が策定した「Jリーグ百年構想」がこの笑い話と関係あるかわからないが、女子代表は今回のワールドカップで優勝し、日本のサッカーはこの偉大な構想を計画より早く実現させた。女子サッカーは男子ほど重要視されていないかもしれないが、サッカーというスポーツでアジアの国がこのような輝かしい実績を収めることは実に困難である。
男子サッカー日本代表はアジア大会で優勝したが、女子はその上をいき、ワールドカップという最も大きな舞台で予想外の優勝を果たした。ここから、日本のサッカーの発展が未曾有の段階に達していることがわかるだろう。日本サッカーの影響力は徐々に拡大し、アジアをリードするようになった。日本が長年進めてきたサッカーの規律に基くサッカー事業の発展の努力は、ここに来てついに報われた。
女子サッカー日本代表は、過去の成績3引き分け21敗という強豪のアメリカ代表をPK戦の末に破った。初勝利が最も大きなワールドカップ決勝という舞台で起き、また優勝するとは、誰も想像しなかっただろう。女子サッカー中国代表もかつてアジア1位に輝いたことがあるが、日本は先に世界を制し、中国を全面的に超えた。ワールドカップ優勝という成績は、目標を成し遂げたと十分言える。隣国の勝利を誇りに思うと同時に、中国はワールドカップ出場資格すら失った自国の代表に悲しまずにはいられない。
女子サッカー日本代表も楽ではない。ワールドカップでこれまで勝利したことのない米国代表を相手に、身体面の優位性がほぼないという中で勝利したことに感服せずにはいられない。女子日本代表のプレイスタイルは男子と同じで、熟練した技術ときめ細かい動き、高いボール支配率などが特徴だ。そのほかに、女子代表には男子に負けない粘り強さがあり、どんな逆境の中でも堅い意志を持ち、諦めないという姿勢がある。今回の決勝でも、リードされ、引き分けても粘り強さがあった。これら全てのことが女子日本代表の身に集中し、今回の貴重な勝利につながり、女子サッカーの発展の先駆者となり、女子サッカーの最高の栄誉となった。女子サッカー日本代表の名誉名声は実際と合致している。
女子サッカー日本代表は目標を果たし、成績は強豪の米国を超えたが、中国代表と同じ失敗を繰り返すことになるのではないか、深く考えずにはいられない。このように美しい成績は流れ星のように一瞬で消え、最後には一時ではかなく消えるのではないか。
そうならないことを確信している。その理由はメカニズムだ。同様に一つのメカニズムで発展している女子サッカーだが、日本と中国が歩む道は全く異なる。日本は持続可能な発展を図り、実績を出すのは遅いかもしれないが、継続性を重視している。一方、中国は即席型の発展、目前の功利を急ぐやり方で、1位になるのは早いが、それが続かない。
女子サッカーの発展初期、他国がその発展を重視し始めていない時、中国は国を挙げて優秀な選手を養成し、好成績を収めた。しかし即席の優秀さはやはり虚像にすぎず、功利を急ぐ方法をとった女子サッカーは最終的に後が続かないという悲劇に直面した。物事の両面性がはっきり現れ、他国も発展に重視し始めると、中国のような持続不可能な発展による悪影響はますます深刻化し、今日のような後退し続けるという悲しい結末を迎えることになった。
一方、日本は、サッカーの発展の規律に基いて養成法を作り、実行するという発展方法だ。青少年の育成に重視し、女子サッカー人口を増やし、ピラミッドの土台を固めることに重きを置いている。日本の選手養成は非現実的な根拠のない方法でも、功利を急ぐ方法でもなく、地に足をつけたやり方で徐々に進歩を遂げた。また最も重要なことは、チームの発展の理念とサッカー事業の発展が一致し、常に先進レベルにあることだ。
実際に日本のサッカーがこのような成績を収めることができたのは、継続的な投資を行い、優秀な会長や数人の優秀なコーチが存在するからだけでなく、最も決定的な要素は日本にサッカーの規律に合い、良好な発展を続けるメカニズムがあるからではないか。これこそが最も重要な点だ。日本代表は今後も勢いを維持し、更に良好な発展を続け、中国の失敗を繰り返さないと確信している。
女子サッカー日本代表の優勝を通して、中国のサッカーが後退した本当の原因は体格や資金でも、優れたコーチが欠けていることでもなく、よいメカニズムがないことだとはっきり認識すべきではないか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月18日