サッカー女子ワールドカップのトロフィーを手にし、東京の首相官邸で澤穂希主将(中央)、佐々木則夫監督と記念写真を撮る菅直人首相(右)
サッカー日本女子代表がドイツで行われたワールドカップで自身の記録を次々と破ったことは、日本人の心を強く揺り動かした。震災後の復興と原発事故の対応による重苦しい雰囲気がある中で、日本人の心を奮い立たせ、被災者に復興への勇気を与えた。
優勝がメディアの「暗い影」を一掃
東日本大震災の発生以降、日本メディアは様々な「暗い影」に覆われていた。なでしこジャパンが優勝したというニュースはその影を一掃し、各大手メディアは1面トップで優勝を伝えた。中には10面を使って代表選手の成績を紹介した新聞社もある。多くの評論は次のように論じている。世界の女子のスポーツ種目、特に女子にとって最も困難な団体球技において、日本はオリンピックと世界選手権のバレーボール、ソフトボールで優勝したことがある。今回なでしこジャパンがワールドカップで優勝したことは、日本サッカーだけでなく、アジアサッカーの栄光でもある。選手らがコートを活発に走りまわる姿は、かつて「東洋の魔女」と称された全日本女子バレーボールチームを思い起こさせる。
「大和撫子」は、日本の優れた女性を表す言葉だ。サッカー日本女子代表の「なでしこジャパン」という愛称は、2004年のアテネオリンピック前に行われた一般公募によって決まった。日本メディアは今回の大会について次のように論じた。サッカーという体力勝負のスポーツでなでしこジャパンは全力を投じ、懸命に奮闘したと同時に、自らの戦術とテクニックを巧みに使った。選手らの強豪にひるまず、奮闘する精神と鉄の意志は日本全国、特に被災地の人たちを激励し、彼らに多大な活力と自信を与えた。
また、日本メディアによると、サッカー女子ワールドカップの決勝戦を放送したNHK衛星第一の視聴率は、2008年の統計開始いらい初の10%以上をマークし、10.7%に達した。フジテレビの関東地区の瞬間最高視聴率は27.7%に達し、過去最高を更新。そのほか、米国のツイッターによると、なでしこジャパンの優勝が決まった瞬間の1秒あたりの投稿件数は7196件に達し、同日行われたサッカーの南米選手権のブラジル-パラグアイ戦の投稿件数7166件を上回り、過去最高を更新した。