多くの独身女性が母になり自分の子供を持つことを望んでいる。その一方で独身女性の出産という問題も論議を呼んでいる。中国衛生部が2003年に改訂した「人類生殖補助医療技術規範」には、「医療機関は試験管ベビーに関する技術を使用する際に、独身女性に対して人類生殖補助医療技術を使用してはならない」と明確に規定されている。
独身女性が子供を出産する場合、法律的に許可されないばかりか、計画生育(一人っ子政策)指標、子供の戸籍、社会保障、教育、世論の圧力といった現実的な問題に直面することになる。
規定に基づくと、生まれた子供の出生戸籍登録を申請するためには、「出生医学証明」、「準生証」(出産許可証)、「戸籍簿」、「結婚証」、「独生子女証」(一人っ子の証明)が必要なため、戸籍登録は困難となる。
心理カウンセラーの朱美雲氏は、「独身女性が社会に進出し、健康的な家庭を築くことを奨励するべきであり、社会的責任を逃避することを奨励するべきではない」と指摘する。
西側諸国の一部では、独身女性が子供を出産するケースは普遍的である。人民網の2011年4月2日の報道によると、欧州連合統計局が発表した「第3次人口報告」によると、EUの3分の1の嬰児は独身女性の出産による(エストニアは60%)。
中国社会科学院人口労働経済研究所の張翼氏は、「深刻化する高齢化を背景に、中国の人口政策は現在の出産抑制から、抑制の解除ひいては出産の奨励へと過渡する」と指摘した。中国は将来的に上述した政策を検討し、高齢化による労働力不足に対応しなければならない。
民意中国網のネットユーザーは、「一人っ子政策は家庭を単位とせず、女性を単位とすることを検討してもよいのではないか。自ら独身を選ぶ女性の多くは優秀で、これらの女性が出産しなければ社会にとって損失である」と指摘した。われわれは女性が母となることを奨励し、独身者に対して寛容になるべきである。出産は個人のみの問題ではなく、成人にとっての社会的責任であり、社会全体の協力が必要であるからだ。
「人民網日本語版」2011年7月28日