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私たちは、絶えずスピードアップし続ける時代に暮らしている。出張には飛行機や高速鉄道、ネットも高速アクセス、食事は一分一秒を争い、よちよち歩きの子供にすら「人生のスタートライン」で負けるわけにいかないと早期教育を施す。「速く、もっと速く!」これは全ての人の生活における潜在的な言葉となった。しかし、社会の異常なまでの「ハイスピード」が元で、我たちは先月、高速鉄道事故という大きな傷を負うこととなった。また、生活の異常なまでの「ハイスピード」により、私たちの心身は「耐えられない傷」に直面している。慢性病や精神疾患の発病率の高まりも、多くは「ハイスピード時代」の副産物だ。生命時報が伝えた。
▽「ハイスピード」の代価
「人々は今や、スピードに縛られた奴隷だ!仕事する時間はいくらでもあるが、運動する時間はなく、本を読む時間もなく、家族と過ごす時間もなく、自分がなぜこんなに忙しいのか考える時間もない」。蘇州栄格心理カウンセリングセンターの王国栄氏は今の社会全体に充満する焦り・苛立ち感をこう表す。知らぬ間に、心身に少しずつ負荷が積み重なり、いつか取り返しのつかないことになってしまう。
--焦り・苛立ちが招く心臓病
中日友好医院心臓血管内科の曹啓富副主任によると、負荷が大きすぎる仕事と、それによってもたらされた不安・焦り・苛立ちにより、人は往々にしてストレス状態に陥り、心臓病の発生確率が高まるという。中壮年の過労死、突然死の多くはこれと関係がある。
--極度な興奮が招く不眠
上海市中医不眠症医療協力センターの施明副主任によると、不眠症の40%から55%は心理的な原因によるものだという。中でも重要なのは生活リズムが速すぎることだ。速すぎる生活リズムにより、夜になっても大脳が極度な興奮状態にあり、体は休みたくても脳はまだ働いていて、入眠が困難になる。また、夜に残業ばかりしていると体内時計が狂い、内分泌の正常な規律が保てずに不眠に陥ることがあるという。
--「急いで大食い」は胃腸を痛める
昼ごはんを5分で掻きこむ、ファーストフードばかり食べている。このような状態では胃腸を痛めるばかりだ。調査によると、40%の人が早食いが原因で胃の痛み、腹部膨満などの不快な症状が生じたことがあると答えている。中国農業大学食品科学と栄養工程学院の範志紅副教授は「食べるスピードが速すぎると消化・代謝機能が乱れやすく、便秘を起こしやすくなるほか、食べ過ぎにもつながる」とする。
--盲目的な追従で心が疲れる
盲目的に何かを追いかけることで、人々は「ゆっくり」、「静」の能力を失い、独立した思考能力を失い、美を楽しむ能力を失い、さらには生命の意義について思考する能力も失ってしまう。これらはすべて人の心を豊かにし、幸福を感じるための養分となるものだ。