子供達が独立し家を離れた後、多くの父母は子供達が「家に戻って来る」のを心待ちにしている。近年、実家を離れて働く若者が増加するに伴い、「空巣老人(子供が巣立った後の、高齢者の独り暮らしまたは夫婦だけの世帯)」の数も増え、2010年には「空巣家庭」の割合が50%に近づいた。寝たきり・半寝たきり状態の高齢者はすでに3300万人に達している。法制晩報が伝えた。
全国人民代表大会常務委員会副委員長兼秘書長の李建国氏は24日、中国の高齢化社会の特徴として以下の6つを挙げた。
(1)高齢者人口の基数が大きい。第6次国勢調査のデータによると、2010年11月1日現在、60歳以上の人口は1億7800万人に達し、総人口の13.26%を占めた。うち、65歳以上の人口は1億1900万人で、総人口の8.87%を占めた。中国は1億人以上の高齢者人口を抱える世界唯一の国となった。
(2)高齢者人口の増加スピードが速い。国家高齢化対応戦略研究課題グループの予測によると、中国の高齢者人口は2014年には2億人を超え、2025年には3億人に達し、2042年には高齢者人口の占める割合が30%を上回るという。
(3)生活に困難を抱える高齢者が多い。ここ10年、80歳以上の高齢者が約2倍に増え、すでに2000万人を上回っている。2010年、寝たきり・半寝たきり状態の高齢者はすでに3300万人以上に達している。
(4)工業化実現よりも先に高齢化に突入した。先進国を見ると、高齢化社会に突入した頃にはすでに工業化が実現し、ポスト工業化時代に入り、1人あたりGDPが5000-1万ドルに達していた。現在は2万ドル前後に達している。一方の中国は、現在まだ工業化・都市化の真っ只中にあり、高齢化社会に突入した1999年には1人あたりGDPはまだ1000ドル未満だった。中国の1人あたりGDPは2010年に4000ドルを突破したばかりだ。
(5)高齢化と家庭の小規模化が同時進行。第6次国勢調査によると、現在中国の平均世帯人員は3.1人で、家庭の小規模化により、家庭における高齢者扶養機能が明らかに弱化している。
(6)高齢者扶養比率(労働力人口に対する高齢者人口の比率)が急速に高まりつつある。2010年の高齢者扶養比率は19%で、労働力人口5人で高齢者1人を養う計算になる。最新の予測によると、2020年には労働力人口3人で高齢者1人を、2030年には労働力人口2.5人で高齢者1人を養うことになるという。
全国人民代表大会常務委員会高齢者権益保障法執行検査チームは、戦略的な高みから高齢者業務を認識・計画し、社会の養老保障の根本的な作用を強化し、関連のサービス体系建設を推し進め、高齢者の社会発展への参与に向けて条件を整え、高齢者業務体制を打ち立てるよう建議する。
「人民網日本語版」2011年8月26日