国家人口・計画生育委員会は9日、「中国流動人口発展報告2011」を発表した。人民日報が報じた。
同報告は、流動人口の発展状況、社会との融合、転居と都市化、基本公共サービスの均等化、地域人口と経済社会の調和的発展等の問題をめぐり、分析を行った。
河南省出身の蔡さんは、北京の自動車修理工場で5年間勤務している。「昔はただ、自分が貧しいから見下されているのだと感じていました。都市の人が私たちを見る目、そして話すときの口調には、優越感が満ちていました。ですから仕事以外での付き合いは多くありませんでした。しかし今はお金は稼げるようになりましたが、北京市の戸籍がないので、経済適用住宅(低中所得者層向けの、政府の資金援助による経済性・適用性を備える住宅)、廉租住宅(低所得者層向けの、政府が規定する価格により貸し出す住宅)の申請もできず、また車を買うこともできません」。
中国において、蔡さんのような流動人口は2億人を超える。同報告によると、都市部の高度成長の過程において、「中国の流動人口の社会との融合レベルは全体的に低く、農民工の社会保障問題も顕在化している」という。
現在の流動人口は、80年代生まれの人が中心になりつつある。同報告によると、新世代の農民工の規模は増加を続けており、農民工全体の47.0%を占めている。これらの人々の教育水準は向上しており、平均教育期間は9.8年に達している。またこれらの人々の就職先は製造業に集中している。新世代農民工の46.3%が製造業に従事しており、上の世代の農民工を10ポイント超上回っている。