なぜ90%の中国人は手洗いができないのか

なぜ90%の中国人は手洗いができないのか。 衛生部は中国で初めての「全国住民手洗い状況白書」を発表した。白書によれば、北京、遼寧、浙江などの5つの省と市での調査で、正しい手洗いのできている住民はわずか4%という結果になった…

タグ: 中国人,手洗い

発信時間: 2011-10-23 09:38:48 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

衛生部は中国で初めての「全国住民手洗い状況白書」を発表した。白書によれば、北京、遼寧、浙江などの5つの省と市での調査で、正しい手洗いのできている住民はわずか4%という結果になった。住民の文化水準が高いほど、正しい手洗い率は上昇する傾向を示している。 

9割以上の中国人は手洗いが「できない」。――この調査結果は多くの人々を驚かせた。もちろん、これは中国人が衛生を重視しておらず、手洗いが嫌いだということを示しているのではなく、正しい手洗いの方法を身につけていないということだ。世界保健機構の「手洗い基準」に基づいて「正しい手洗い」ができている人は、おそらくどれほどもいないだろう。たとえば、節約のために手洗いの際に長い時間水を流さないようにする人は少数ではない。 

正しい手洗いの方法は、おのずから一種の科学的素養であると言える。90%の国民が手洗いできないのは、事実、国民全体の科学的素養の低さの表れである。少し前に行われた中国公民科学素養調査の報告によれば、2010年に中国で基本的な科学的素養のある国民は3.27%であった。これは、日本やカナダ、EUなどの首相先進国の1980年代末の水準だ。科学的素養は文化レベルと同様、社会の進歩、経済の発展と不可分のものであり、中国と先進国の格差を考えれば、国民の科学的素養指数が少しばかり低いのは当然のことだと言える。しかし、これほどまでに低いのはやはり正常ではない。 

近年、中国全土の多く場所でランドマークとなる大型の公共文化施設が建設され始めている。これらの文化施設は、投資額が巨大で施設が先進的であること、管理運用コストが高いため、無料開放されていないことなどの共通点がある。それに比べて大衆向けの文化資源の配置はわずかにあるか、全くない地域もある。ある意味において、中国人は、実際は勉強嫌いなのではなく、科学が嫌いなのでもない。ただ科学の普及を進める文化的な環境、雰囲気がとても希薄だったことが、民衆の科学技術に対する注目度が長期にわたって低い状況を招き、科学的素養が低いことは免れがたい状況となった。2010年の上海万博が異常な盛り上がりを見せたのは、まさにこれまで長い間蓄積されてきた人々の科学に対する情熱が一気に解放された結果であったと言える。 

隣国の日本では博物館・科学技術館が無数にあり、国立のものから、個人、民間のものなど様々である。特に面白いのは、数の多さではなく、その内容が個性豊かで多種多様なことだ。一冊の本、一枚の絵から庶民のおやつに至るまで様々な博物館がある。これらの小さな博物館も軽視すべきものではなく、日本人の文化の受け皿となっているばかりか、伝統文化の保護にも重要な役割を果たしており、知らず知らずのうちに科学の普及を大きく推進させる力となっている。翻って中国では、科学の普及、文化の深耕と宣伝、普及にしろ、科学の普及に対する財源の投入、行政の力をもって社会の科学に対する理解と関心を高めることにしろ、未だ不十分だ。 

改革開放以来、中国では経済の発展と都市の建設に力を注いで大きな成果を上げたが、社会文化領域に投入されてきた力ははるかに不足していた。90%以上の国民が正しい手の洗い方さえ知らないということは、一刻も早く埋め合わせなければならない国民の精神と文化の養成をしてこなかったツケは非常に大きいことを十分に示している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月23日

 

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