一人っ子政策30年 人口4億抑制の影に高齢化問題

一人っ子政策30年 人口4億抑制の影に高齢化問題。

タグ: 世界人口白書,中国,人口

発信時間: 2011-10-27 16:18:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

国連人口基金(UNFRA)が26日に発表した「2011年世界人口白書」によると、世界の人口は今月末に70億人を突破する見通しという。「世界人口70億人時代」を迎えるにあたり、国家人口・計画出産委員会は「世界の人口は、毎年約8千万人ずつ増えている。『一人っ子』政策のスタート以来30数年、中国は4億人の人口抑制を成功させた。これにより、『世界70億人時代』の到来を5年遅らせることができた」とコメントした。

中国の人口すう勢は、顕著な段階的特徴を呈している。先進国では、200年以上に及ぶ工業化のプロセスにおいて、人口問題が段階的に発生したが、中国では各段階の問題が一挙に噴出しているのが現状だ。中国の人口発展問題は、次の5項目に集約される。

(1)増え続ける総人口

第6回国勢調査の結果によると、中国大陸部の総人口は13億4千万人。「十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)」末には13億9千万人、2020年には14億5千万人にそれぞれ達する見通し。

(2)全体的に低い国民素質

全国の先天性障害児発生率はここ数年、上昇の一途をたどっている。出生の時点で肉眼で判別可能な先天性奇形児や出生後しばらくして障害が明らかになる欠陥児が産まれてくる割合は、年間の新生児総数の4%から6%を占める。 また、全国の各種身体障害者が国内総人口に占める割合は6.34%。主な生産年齢人口のうち、高等教育を受けた人の割合は12%、高級技術工レベル以上の技術を持つ高技能人材が技能労働者全体に占める割合は約25%。中国の労働生産性は、先進国と大きな格差があるだけではなく、多くの新興経済国より低い。

(3)露呈した人口構造問題

新生児の男女比率が全体的に偏ったままだ。また、生産年齢人口は、「十二五」期間中にピークに達し、2025年までは9億人以上のレベルが続き、就業難対策がさらに困難を極めると予想される。高齢化のスピードが加速し、60歳以上の高齢者人口は2050年に約4億4千万人に達し、総人口の3分の一を占める見通し。

(4)激しさを増す人口流動

中国における人口の都市化は、今後20年から30年の間に全面的に加速、人口流動規模が最も大きくかつ最も激しい時期となる見通し。約3億人が農村から都市部に流入すると見られる。

(5)伝統的な家庭がもつ機能が弱体化

一世帯あたりの人数は減る一方で、1982年の4.41人から2010年には3.10人まで減少した。「空き巣家庭」(高齢者だけ、または高齢者と未成年者だけの家庭)と一人っ子家庭の割合はかなり上昇した。家族が別々の場所に住むケースが増え、全国の農村に残された「留守番女性」は4700万人、出稼ぎに出た両親と離れて暮らす「留守番児童」は5800万人にそれぞれ達した。

「人民網日本語版」2011年10月27日

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