中国広東省茂名市では最近、お金を使う際に複数の人を集めて一人当たりの負担を少なくする「シェアリング」(以下シェア)ブームが起こっており、80年代生まれの若者を中心とする「シェア族」から新たな財テク方法として人気を集めている。中国国営の通信社「中国新聞社」が報じた。
同市のある商業サイトの責任者は取材に対して、「シェアはここ数年、80年代生まれの若者を中心に盛り上がりをみせてきた。茂名市ではネット上を少しのぞくだけで、車を相乗りする『カーシェア』や割り勘での食事、仲間を募って旅行する『ツアーシェア』など多種多様なシェア情報を目にすることができる。今では結婚式を共同で挙げる『ウェディングシェア』まである」と指摘。
80年代生まれの董華さんも2年前からシェアをよく利用している「シェア族」だ。年末に茂名市に戻り、結婚する予定の董さんは、今ひそかに流行している『ウェディングシェア』に目を付けた。
茂名で生まれ育った董さんは大学卒業後、広州にとどまり就職。「結婚式にかかる費用は上半期よりも高くなっており、完全に予算オーバー」とするものの、やはり盛大結婚式を挙げたい董さんは機転を利かせ、同様に式がせまっているいとこ姉妹2人と相談し、共同で挙式することに決めたという。
董さんは「まず、冬至(今年は12月22日)前後に結婚式を挙げることに決め、店側と熾烈な値段交渉を繰り広げて、ほとんどの品目で共同購入と同じ額の割引をしてもらえた」とし、「宴会の席は1テーブルあたり120元(約1440円)安くなり、20テーブル注文したので2400元(約2万8800円)の節約、ウェディングフォトが1000元(約1万2000円)の節約、一緒にカメラマンとメイクさんを雇ったので200元(約2400円)の節約、同じウエディングドレスをレンタルして150元(約1800円)の節約、喜酒(祝い酒)、喜糖(祝いに送る飴)など結婚式用品も共同で使うので1000元近く節約」と計算してくれた。
「これだけでも、一人当たり5000元(約6万円)近くの節約になった」と董さんは得意そう。
さらに、董さんは「実際には『ウェディングシャア』は広州などの大都市ではごく普通」とし、「広州の消費水準が高くなっているため、2年前から同僚らと『カーシェア』などを始め、『シェア族』になった。生活の中で、食べたり、飲んだり、遊んだり、何をするにしても、適当な『シェア友』が見つかれば、すぐに参加する」と語る。
なぜシェアが好きなのかと問われた董さんは「主にお金が節約できるから」と答えた。
董さんは「『シェア族』は割り勘を推奨しており、『シェア友』とコストや作業を分担するほか、割り引きや優待特典の共有を行う。節約、協力、ウィンウィンを提唱するこうした新たなライフスタイルや財テク方法は、80年代生まれの若者の生活理念とも合致している」と指摘した。
「人民網日本語版」2011年11月1日