2011年度「中国記録映画発展報告」が9日、中国傳媒(メディア)大学で発表された。記録映画(ドキュメンタリー映画)の年間概況を取りまとめた青書が発表されたのは、国内で初めて。
統計データによると、2010年、全国省レベル以上のテレビ局が制作したドキュメンタリ?映画の生産総量は5094時間。このうちCCTV(中国中央電視台)の生産量は3027時間と約6割を占めた。ドキュメンタリー映画の最も主要な放映媒体は依然テレビだが、視聴率はその他ジャンルの番組に比べ低い。映画館での上映について見ると、2010年に国内の映画館で上映されたドキュメンタリー映画は7作品、興行収入は2629万5千元(約3億1554万円)、同年の中国映画興行収入全体のわずか0.25%を占めるにとどまり、一部人気映画の週末の興行収入にも及ばないものもあった。
青書は、中国国内には、ドキュメンタリー映画に関する系統的で規範化された市場ルールや業界構造がまだ確立されていないと指摘している。各テレビ局が制作・放映するドキュメンタリー作品は単一的なもので、マーケティングの圧力もない。ドキュメンタリー映画製作会社は長い間、制作利益がほぼ皆無の状態で、著作権利益の配当もないため、積極的なマーケティング活動が行われることはなかった。
青書によると、マスコミが融合する情勢のもと、映画制作者はドキュメンタリー映画のインターネット上での巨大な潜在力に注目しており、民間の制作力は大きな発展の可能性を備えているという。また、視聴サイトの存在が、ドキュメンタリー映画の放映ルート拡大に一役買っている。
「人民網日本語版」2011年11月10日