▽ルーズな管理監督、立ち遅れた基準制定に付け込む一部企業
中国消費者協会の邱宝昌顧問は「一部の国際ブランドは、より多くの利益を得るため、または違法行為にかかるコストが低いため、製品基準の引き下げや違反行為を行い、自社の信用を大きく損ねている。これは賢明なやり方ではない」と指摘した。
企業自身の利益追求以外に、管理監督がルーズな状態にあり、基準がかなり立ち遅れているような環境は、企業がそこに付け込む隙を作ってしまう。「中華人民共和国標準化法実施条例」の規定によると、関連基準が実施された後、基準を定めた部門は、時機に応じて再審を行うべきで、再審サイクルは5年を上回ってはならないとしている。しかし、邱氏によると、基準によっては10年経っても改正されていないという。
また、ある専門家は「国際ブランドが、販売国・地域によって基準を変えることは、極めてよく見受けられる『国際慣習』となっている。そこで重要なのは、製品が消費者の安全と権益を損ねていないかどうかという点だ」との見方を示した。
食品プロセス工学が専門の雲無心博士は「研究レベルや科学的根拠の差によって、ある同一の物質が有害か否かを判断する基準は、国家によって異なってくる。例えば、中国、米国、東南アジア各国は軒並み、ホウ砂の使用を禁止しているが、欧州では禁止されていない。反対に、欧州では小麦粉をより白く見せるための添加剤の使用を禁止しているが、米国では使用が許可されている」と指摘した。