ビジネスとしての割り切りが人気を削ぐ
どうして海外メディアは中国料理店に対し賛否両論があるのだろうか。
シカゴでは、中国料理店で働く人の多くが古い移民である。新移民もいるが、彼らにとって中国料理で働くことは生活の手段である。適当な仕事が見つからない場合、まずレストランで働くのだ。多くが一流料理店にいるような名コックではない。
アメリカの「暁軍美食」グループは、シカゴで比較的成功した中国料理店経営企業だ。傘下にある「老四川」「老北京」「老上海」「老友聚」「老湖南」などのブランドは、アメリカの上流社会でも評価されている。このような優良企業においても求人難という問題を抱えている。「いま優秀な料理人を探すのはとても難しい」と会長の胡暁軍氏は嘆く。
イギリスで最近公布された新移民法では技術移民の敷居が高くなった。技術と経験のある料理人がイギリスで仕事する際にも厳格な審査が必要となった。それは中国国内で働く料理人の大多数が失格になるような厳しさだ。
それ以外に、海外の中国料理産業が西洋料理との融合を追及していることも中傷される要因となっている。当初中国料理店の経営者は、より多くの現地客を引き付けるため、中国料理に改良を加えた。欧米人が好きな揚げ物や炒め物に甘みを加えたのである。しかしこれが中国料理本来の持ち味を損なった。海外で中国料理産業を発展させたいのならば、欧米の味覚に媚びるだけではダメである。オリジナルな中国料理の中にこそ生命力が備わっているのであり、それによって真に中国の飲食文化が持つ魅力を体現することができるのだ。
中国料理産業の将来に、胡暁軍氏は明るい展望を持つ。今後の中国料理業界の発展にとって、中小レストランの統合を図り、大型飲食グループを誕生させることが必然の流れだと氏は考えている。
とはいえ、「シカゴ華語論壇報」の記者である張大衛氏は、中国料理店の統合への道のりは遠いという見解を示す。経営管理レベルが稚拙であることからチェーン展開を形成するには至らず、また組合活動やPR活動の動きも鈍いからだ。「アメリカを例にとると、業界の組合を作ることは中国料理産業の権益と発展にとって大変重要なこと。かつてシカゴには米中中国料理協会があったが、すぐに消滅してしまった。PR活動も各々でやって各々で仕切っている」と張氏は言う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月16日