しかし、いいことずくめではないことも否めない。つまり、劉氏がやはり数日前の夕刊紙で語っているように、引退する選手の再就職の問題も、だんだんと注目を浴びるようになっている。中国社会全体が大発展の中にあり、すべての職場ではデジタル化が進み、どの機構も少数精鋭化している昨今のこと、少年期から特定種目のトレーニングに打ち込んできた人たちがいざ引退することになると、適職を見つけにくいケースがあることをよく耳にする。一部ゴールドメダリストたちはピラミッドの頂点にいるので引く手あまたとはいえ、引退する前からポストが用意されているケースもあるが、裾野の部分にいる人たちの場合は小学校、中学校の体育の教師になるにも教員の資格がないために狭き門に直面していることも耳にしている。もちろん、スポーツ主管部門には職業紹介の職能はないので、こういう事柄は、政治協商会議委員や人民代表になっているスポーツ選手たちや、さらに高い段階で考えてもらう必要があるような気がする。さもなければ、中国スポーツ界は後継ぎ者が先細りすることになるかもしれない。杞憂かも知れないが、さいきん、いろいろ耳にしているのであえて言わせてもらうことにした。しかし、これは解決不可能のことではない。
世界のスポーツの祭典オリンピックで存在感を示すようになった中国は、持続可能な発展のために、新しい課題を抱え込むことになっているようだが、打開策はあるし、これだけの国力があることだから、上手に解決できると信じている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月6日