29日午後12時半ごろ、北京西単新一代ショッピングセンターのエスカレーターに一人で乗っていた9歳の男の子が、頭部を手すりと床の間に挟まれ死亡するという事故が起こった。北京晨報が伝えた。
西単新一代ショッピングセンターの東側4階から6階の上りエスカレーターは、事故発生後ストップ、乗り場付近に警戒線が張られ、従業員2人が5階乗り場付近に監視のために立った。5階から6階へのエスカレーター手すり左側には血痕が残っていた。
ショッピングセンターの管理責任者によると、事故については現在調査中で、詳しいことは何も言えないという。
あるテナント主によると、12時半ごろ、同じ階にある別のテナント主の9歳になる息子がエスカレーターで5階から6階へ上った時、手すりから身を乗り出していたため、頭部を手すりと床の間に挟まれ、その場で死亡したという。事故当時、ショッピングセンターには多数の客がおり、死亡した男児の母親は客に商品を売るのに忙しく、息子に眼が行き届かず、悲劇が起こった模様だ。
西城区政府は29日午後3時37分、中国版ツイッター「微博」(ミニブログ)の公式アカウントを通じ、「午後12時30分、西単新一代ショッピングセンターの5階から6階に上がるエスカレーターに一人で乗っていた9歳の男の子が、頭部を手すりの外に乗り出していたために手すりと床との間に挟まれ、その場で死亡した」と発表した。
西城区政府はミニブログを通じ、「関連部門が詳しい調査に乗り出した」と述べ、「12歳以下の児童がエスカレーターに乗る時は、可能な限り保護者が付き添うように」と呼びかけた。
救急救命センターは29日午後12時24分、緊急通報を受けた。救急隊員が現場に到着した時には子供はすでに死亡しており、死因は頭部と頚部の圧迫によるものと初期判断された。しかし、より正確な死因については、警察の現場検証を経て発表される。
事故発生後、北京市政治協商会議科学技術委員会の朱良委員はミニブログに、「エスカレーターの安全防衛策を強化しなければならない。警備員による監視だけでは不十分で、基準を改定し、防護プレートや防護ネットを設ける必要がある」と書き込んだ。この意見は、多くのネットユーザの心からの声を代弁している。
品質検査部門によると、昨年公布・施行された国家基準「エスカレーターと動く歩道の製造・設置に関する安全規格(GB 16899-2011)」では、2009年末に発表されたEU規格(EN115:2008)が導入されているという。新基準には、手すりと建築物との接触面の条件など、いくつかの技術分野における安全基準が加えられ、また、エスカレーターのステップ(踏み版)とステップが収納される部分周辺の安全防護策が強化された。
「人民網日本語版」2012年1月30日