グルメサイト「食べログ」
この事件は日本で一斉に報道された。東京都中央区月島にはもんじゃ焼きを経営する店が非常にたくさんあり、競争が激しい。一般的に、どのような競争でも最終的には結果が出て、人気店とそうでない店に分かれる。人気店には行列ができ、初めて来た人でも、その店が人気だと分かる。
しかし、ある状況が発生した。以前は閑古鳥が鳴いていたような店が、突如として人気店になったのだ。その店の商品や味は全く変わっていないにもかかわらず、店に行列ができたことで、人々は不思議に思った。
謎はすぐに明らかとなった。その店は、ある業者にお金を渡して「食べログ」に人気が出るようなレビューを書いてもらっていたのだ。調べによると、やらせ業者は月5万円でレビュー5件、月10万でレビュー10件を書き、店の評価を上げていたという。お金さえ支払えば、評価が上がって客も増えるということで、飲食店側は喜んでお金を払った。その後、多くの店がやらせ業者にお金を払い、レビューを操作していたことが分かった。
月島では、多くの店がこの「やらせ」行為に反発している。それは、「良心」や「倫理」に反するからというのではない。このような行為は消費者だけでなく、飲食店の利益をも損なうからだ。「やらせ」は悪徳業者を儲けさせるだけで、飲食店には何のメリットもない。逆に、レビューにつられてきた客が不満を抱き、二度とその飲食店に来なくなるというデメリットの方が大きい。
日本では各業界に「○○協会」や「○○組合」という自治団体が存在する。今回の問題は月島の組合が事件を「価格.com」に訴えたことで、大きな騒動となった。
「価格.com」の調査によると、やらせ業者39社が口コミ操作を行っていたことが分かった。現在、消費者庁も調査に乗り出した。この手の詐欺は「悪質」という問題ではなく、日本の法律に触れるものである。
インターネットは諸刃の剣である。どのような人でも自由に意見を発表できる場を与える反面、匿名性が強く、嘘の情報を簡単に広めることができる。一般的にネットの80%が検索サイトからの訪問であり、残りは3~5%がRSSから、それ以外の方法でサイトを訪問する人は10%前後である。
今回の「食べログ」事件は多くの人の注目を集めた。すべての人がレビューを書け、嘘の情報を最低限に抑える方法をはたして人々は見つけ出せるのだろうか。