1980年代、上海から東京に留学した中国人達の物語を描いたドラマ「上海人在東京」が大人気になったことがある。時はながれ今、その題名の正反対の現象、日本人が職を求めて、上海にやって来るという現象が起きている。一体なにが起こっているのだろう。復旦大学(上海)日本研究センターの郭定平主任(所長)に聞いた。上海紙「青年報」が報じた。
▽高まる日本国内の失業率 待遇も低下
-----結婚して子供をもうけてから、職場復帰する日本の女性が増加しているが、この変化の根本的原因は?
「日本の自由化改革は1990年代にバブルがはじけたころから始まり、国内経済は段階的に自由市場を導入した。それまでの日本は米国スタイルにならい、年功序列制、つまり企業は社員に対して長期雇用を保証し、高給高待遇を実施していた。この時は、男性の給与だけで一家を養うことができた。これが過去、日本の女性が仕事をあまり必要としていなかった大きな要因」
「その後、日本では年功序列制に対して大きな改革が行われると、正社員を雇用するのではなく、多くの期間契約社員を採用する大企業や民間機構が現れ、もともといた社員もパートや契約社員としての雇用形態になった。そのため、日本の男性は、仕事は見つかっても、よい給与や福利厚生は望めず、期間契約社員であるため、一家を養う点で安定性に欠け、家族全体は危機感を感じるようになった。これが、家庭で主婦をしていた女性が仕事を求めるようになった原因」
「自由経済改革により、多くの女性が社会進出を果たしたことに加え、昨年12月に失業率4.6%を記録するなど、日本の市場経済は長期にわたって低迷していることもあり、国内での就職は以前にも増して難しくなっている。それで、日本の女性は就職先として国内だけでなく、海外にも目を向けるようになっている。経済が急速に発展している中国も選択肢の1つで、中国のうち上海は一番人気のある都市となっている」