▽上海なら家庭でも職場でも平等
-----日本国内の企業文化は女性の就職に対して、どれほどマイナスの影響を及ぼしているのか?
「男性が働き女性は家で家庭を守るという、伝統的な考え方は、今の日本にまだ存在し、こうした社会スタイルも基本的にまだ残っている。日本のほとんどの女性が結婚後、やはり主婦として家事にいそしみ、子供の世話をすることを選んでいる。10年前、私は日本で娘の学校の保護者会に行ったことがある。その時会場に来ていた保護者の中で、男性は私一人だけで、ほかはみんな女性だった。私が会場に入ると、彼女たちは「どうして男性が来るの?」という感じの不思議そうな目で私を見ていた。それで、私もいきさつを説明して初めて、みんな理解してくれた。保護者会の時間は日中なので、男性はみんな仕事中。だから、ほかの人はみんなどうして男性が保護者会に来るのか、不思議に思ったのだろう」
-----取材中に、上海で働いている日本人女性の中には、中国人男性と結婚する人も少なくないことに気付いた。上海の男性が日本人女性に人気になっているという現象をどう見るか?
「私も多くの日本人女性が上海で婚活しているというのを聞いたことがある。日本の学者と交流した際にも、これが話題になった。どうして上海の男性が人気なのか。日本の女性の視点から見てみると、日本の伝統的な家庭生活をあまり好まず、もっと尊重されたい、家庭の中での地位を向上させたいと願っているのではないだろうか。日本の伝統的な文化背景の下では、社会は女性に対して高い要求をする。家庭でも、妻は夫に敬語を使って話さなければならないのに対し、夫は妻にそうすることはない。このような文化が女性の家庭での地位を低めてしまった」