住民の誤解
「フクシマ50」は広く紹介され、世界の人の目には「ヒーロー」のような存在として映っているかもしれないが、日本国内では彼らは「被爆の危険がある」として差別されている。
東京電力の職員は「自分も震災の被害者である」と話す。地震と津波で家を流され、アパートを借りようと考えていたが、大家さんは自分が原発作業員だと知り、貸すのを断った。彼らの生活を奪ったのは東京電力だからだ。この東京電力職員は「我々は命の危険を冒して、皆で除染作業を行い、一刻でも早くもとの生活に戻れるように努めている。でも、人々には理解されずに軽蔑される始末だ。本当に残念だが、この仕事を離れるわけにもいかない。とても悲しいことだ」と絶望していた。
高い放射線量を浴びたため、この職員は別の部署に移されたという。もっと辛い事は、彼自身も震災で家族を亡くしているという事だ。津波発生時、原発にいて、家に戻れなかった。年配の母は津波で流され、未だに見つからず、このことで彼は日々自分を責めている。辛い仕事、失った家族、周囲の理解のなさは彼を追い詰め、震災後は一日も心安らかな日を過ごした事がなく、生きることも辛くなり、自分の命を終わらせようと考えたこともあるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月13日