1月に帰国したばかりの瀋さんのこの救出劇は、2月に新学期が始まってから学校中でうわさになり、仲のいい友人や教師を含め、知らない学生はいないという。
一方のカナダでも、同事件は新聞やインターネット、ラジオ、テレビ、さらにはカナダ最大紙「グローブアンドメール」で、中国人の若者が赤ちゃんをピューマの口から救った「奇跡の救出劇」として、広く伝えられている。
瀋さんは「あの時、メディアの取材に応じて自分の勉強に影響が出るのが嫌だったので、すべて断った」とし、カナダで瀋さんの実名は報道されていないという。
今回マイルスさんから送られてきたメールには、瀋さんに対する感謝のほか、「『カナダロイヤルヒューマン協会(royal canadian humane association)』が瀋さんに英雄の勲章を授与したいとしていた」と記されていた。
マイルスさんによると、この勲章は突発的な災害などに遭遇した際、勇敢に立ち向かい、カナダに感動を与えてくれたヒーローに贈られるものだといい、毎年10人ほどしか授与されない。これまでに、中国人がこの勲章を受けたことはない。
「協会が私に連絡をくれた時、瀋さんはすでに帰国していたため、受け取ることができなかった。本当に残念」とマイルスさん。
一方の瀋さんは、「こんな経験は1回で十分。自分の人生の中で最も、最も、最も、忘れ難い事件」と、偉大な名誉を受ける機会を逃したこともあまり気にしていない様子だった。
「人民網日本語版」2012年3月15日