清明節(お盆に相当。今年は4月4日)が近づき、お供え品の売れ行きが好調だ。お供え品は流行に敏感で、デジタル製品もついに登場。「時代とともに進む」今年のお供え品には、米国アップル社の多機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone」(アイフォーン)やタブレットコンピュータ「iPad」(iPad)も登場した。「北京晨報」が伝えた。
インターネットショッピングサイトの淘宝網で「冥幣」や「紙銭」といった言葉を打ち込んでみると、さまざまなタイプの色とりどりの紙銭(お供え品の一種)が目に飛び込んでくる。また多くの店舗ではさまざまな大きさの「金元宝」(これもお供え品の一種)、男性用・女性用など各種の紙製「寿衣」(死者に着せる服)、カラフルなお供え用のハウスなどを取り扱っている。淘宝網で扱うお供え品で最も高価なものは紙製の自動車で、黄色の「本物そっくり、すべて手作業」のランボルギーニが3888元で売られているが、買った人はまだいないという。
意外に感じるのは、電子製品がお供え品の世界に進出したことだ。広東省の複数の店舗が売り出した紙製のiPhone4は、見た目がそっくりなだけでなく、黒と白の二色がある。iPad2を売り出す店舗もあり、本物にそっくりな充電器、ヘッドフォン、ケーブル、スタンドが揃っているだけでなく、アップルのワイヤレスキーボードも付属している。お供え用のiPhone4やiPad2の価格は数十元から数百元という。
ある店舗のオーナーによると、iPad2は事前予約が必要だ。メーカーは細心に製作しており、外観はもとより、プラグ差込口に至るまで、できる限り実物に近づけることを目指している。商品の評価をみると、こうした電子製品のお供え品を通じて、亡くなった人も社会の進歩を実感させるという声が一部の消費者から寄せられたという。
北京民俗学会の韓碩理事は、伝統的な墓前で燃やす紙製のお供え品は環境を汚染するだけでなく、燃やすときに火災が発生する危険があるとし、市民は低炭素に配慮してお参りをし、生花を買うか、インターネットを利用した電子墓参りといった新しい方法で故人をしのんではどうかと提案する。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年3月28日