ラサのチベット料理店レジ係ラムさんの物語 ――ラサ市で働くチベット族農民工調査から

ラサのチベット料理店レジ係ラムさんの物語 ――ラサ市で働くチベット族農民工調査から。 目下のところ、チベット自治区の農牧民が収入を増やす主要な方法の1つは出稼ぎに出て、農業以外の職業に就くことだ…

タグ: 出稼ぎ,チベット,農牧民,収入

発信時間: 2012-03-30 09:08:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

家族支援が出稼ぎの主目的

目下のところ、チベット自治区の農牧民が収入を増やす主要な方法の1つは出稼ぎに出て、農業以外の職業に就くことだ。都市と町の経済発展はチベットの農民工(農村からの出稼ぎ労働者)に多くの雇用機会を提供している。都市での就労は、チベットの農村労働力にとって就業転換実現の主要なコースとなっている。ラサ市やシガツェ市など、チベットでも比較的規模の大きな都市では、第三次産業がますます多くの農村労働力を引き付け、農村労働力の都市での就業に対する重要なルートになっている。その中で、飲食業は多くの初めて都市で就労するチベット族農村労働力がまず選択する職業分野になっている。2010年、私はラサ市のチベット料理店を課題調査ポイントとして、ラサ市の近年の地元農民工の雇用プロセスを考察した。

私が調査したチベット料理店24店で働く100名の農村労働力は主にチベット族の女性で、多くはラサ市に属する各県とシガツェ、自治区南部の山南地区の農牧区から来ている。これらの農民工の教育レベルはおしなべて低く、小学校程度の学歴が主だ。彼らの多くが農業からの転職者だ。都市での就業の比較的高い給与率あるいは期待できる収入が、農民が都市にやって来る基本的な動機だ。家庭利益の最大化も、彼らが労働の分担を受け入れることを促している。農牧業生産の主力ではない彼らは、都市で一所懸命働き家庭の現金収入を増やすことができさえすれば、多くの場合農業が忙しい時期にも家に帰って手伝う必要がない。

ある中規模のチベット料理店で働くラムさんも取材対象の1人だ。19歳のラムさんはラサ市林周県で代々農業を営む7人家族の家からやって来た。家には扶養が必要な2人の老人、3人の子どもがおり、生活のため両親の負担は重い。ラムさんの兄は成績がよく、ラムさんを含む家族は彼の進学を支援しており、妹はまだ小学生だ。親戚や友人の援助のもと、ラムさんの兄はラサ北京中学高等部に進学した。今は、農村の子どもが進学する場合授業料や雑費が免除されており、学校には寄宿舎があり住む場所と食事が確保されている。ラムさんの両親も彼女がこのような優れた政策のもとで学業を続けていくことを希望したが、そうすると一家7人は両親の農業で暮らしていかなければならず、生活は極めて貧しいものとなる。100人への取材では、家庭収入レベルが農村でも中の下という情況が、農村労働力の都市での就業を促進する力になっている。ラムさんは学校の成績が良くないと感じていたこと、両親の負担を軽減したかったことから、15歳になると故郷を離れラサに出稼ぎにやって来た。まず彼女は同郷人の紹介で中学校の食堂で厨房の下働きをした。社会関係のネットワークがチベット族の農民工が職を求めるのに大きな役割を果たしている。飲食店での仕事の敷居は低く、多くの店員が親戚や友人の紹介で、あるいは自分で仕事を探して仕事に就いている。学校自体の経費が限られているため、食堂は冬休みや夏休みがあり、ラムさんは毎月約600元の給料しかもらえなかった。ラサに来て4年目、知人の紹介で彼女は現在のチベット料理店に移った。100人の取材対象者のうち、半分は1、2回の転職を経験している。彼らは転職、仕事環境を変えることを通して、常に自分と都市での仕事の距離を調整しようとしている。

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