視野を広げ民族文化を再認識
ラムさんが現在働いているチベット料理店はラサではよく知られた存在で、多くの国内からのバックパッカーがこの店のチベット料理を味わおうとやって来る。料理店の受付として、彼女は国内外の多くの客と接してきた。特に多くの漢族やほかの民族の客の、チベット料理に対する愛好ぶりから、彼女はチベット族文化の中のチベット料理が持つ独特の魅力を発見した。彼女のラサでの生活における最大の体験は視野を広げたことで、特に各民族や世界各地から来た人たちと触れ合ったことだ。現在、彼女はラサでは各民族が融合し、調和していると感じている。そして、その中で彼女が最も重要と考えているのは、お互いの風俗習慣を尊重していることだ。料理店での教育訓練の中で彼女は改めて自民族の文化について認識・理解し、また漢族を含む他民族の飲食習慣や礼儀について学んだ。まさに、こうした理解と認識を得て、彼女は仕事の中で他民族の礼儀や飲食習慣に注意しそれを尊重するようになり、他民族の客からも認められ尊重されるようになったのだ。
今回の調査の中で、私はラサでチベット式飲食業に従事する多くの農民工が、自分の収入がラサで中ほどのレベルにあると認識しており、彼らが比較的現在の生活状況に満足していることを発見した。多くの人がラサで長く働いていきたいと考えており、相対的に高い報酬によって彼らは家族を養うことができるようなっており、同時にラサの生活は彼らの見識を高め、視野を広げ、各地・各界の友人との交流を結ばせ、知識を学ばせている。都市における各種職業が求める専門技能的要求と、より良い生活の追求が、農民工に職業訓練を受けることを希望させ、より多くより良い労働技能を身につけるよう促している。都市生活は彼らのために新生活の多くのとびらを開き、彼らの生活により多くの可能性を提供しているのだ。
筆者プロフィール 格桑卓瑪(ケルサンドルマ) 女性、チベット族、中国チベット学研究センター社会経済所副研究員
人民中国インターネット版 2012年3月28日