60.9%が「ネットで友情や愛情が薄れた」と思っている
結婚して間もない劉冬さんは、最近、女友達に夫とコミュニケーションが取れなくなってきているとぼやいている。恋愛していたときは、夫とよく連絡を取り合っていたが、現在は仕事を終えて家に帰るとそれぞれがパソコンに向かいネットを見て、ほとんど話をしないという。
深セン市の大学生である林婉清さんがいうには、彼女は寮で6人部屋にいるが、毎晩寮に戻ってもみんなイヤホンをつけてパソコンを見ているので、誰とも話をしないという。用があれば、SNSのQQやMSNを使って伝える。「しーんと沈黙しているあの感じが時々怖くなります。」
60.9%が「ネットで日常生活における友情や愛情が薄くなった」と思っている。39.4%が「ネットが自分と家族、友人の関係に大きな影響を与えた」と感じている。
このほかにも83.2%が「ネットで自分や周囲の人の生活が変わった」という。具体的には、63.6%が「ネットを過度に使用することで内向的になった」、57.3%が「1日中ネットを見続けていることでより孤独になった」、46.2%が「創造力がなくなった」、41.5%が「受身になった」、34.8%が「ネットをすることで気持ちが落ちこむようになった」といっている。
雷靂教授によれば、インターネットを通した知り合いは、ほとんどがいわゆる「ゆるい関係」である。ネットユーザー同士では切迫した問題の解決は難しい。世界中にいてネットに集まってきている人々がそこだけで連絡を取っていても、困ったときに効果的な助けにはならない。満足が得られないと、人は孤独で誰も助けてくれないと感じ、落ち込んだり、あせったり、うつになったりとよくない心理状況に陥りがちだ。だから、現実生活の中で実のある親密な人間関係を育むことが、より重要であると指摘している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月24日