東京スカイツリーブームが映し出す「日本の社会心理」

東京スカイツリーブームが映し出す「日本の社会心理」。 日本の華字紙・文導報に最近掲載された社説によれば、日本は長年にわたる不景気、経済不振の情況に陥っており、東京スカイツリーの誕生やその観光客集客効果にいまだかつてない期待が集まっている…

タグ: 東京スカイツリー,観光

発信時間: 2012-05-31 13:35:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の華字紙・文導報に最近掲載された社説によれば、日本は長年にわたる不景気、経済不振の情況に陥っており、東京スカイツリーの誕生やその観光客集客効果にいまだかつてない期待が集まっている。東京スカイツリーは日本が谷底から這い上がる新しいシンボルになることができるだろうか。これにはまだ時間の経過による検証が必要だろう。しかし、東京スカイツリー開業ブームの高まりは、日本の様々な社会心理を投影している。これらは研究する価値がある。

社説の概要は以下のとおり。 

高さ634メートルの東京スカイツリーが5月22日正式に開業、「世界一」という話題性で人々の注目を集めている。東京スカイツリー及び周辺複合商業施設の全面的な開業は、当然、社会で注目されることになった。そして、暗く重苦しい雰囲気に満ちていた日本に久しぶりの明るい話題を運んでくれた。 

東京スカイツリーは開業当日、雨天という悪天候が予定入場者数に影響を与えたものの、完全予約制の限定チケットで入場した人々には、十分に感動的な物語があった。その後、天気が回復して入場者数の増加を後押しし、東京スカイツリー総合施設への入場者数は5日間で100万人を超えた。開業から最初の週末には、1日の入場者数が27.2万人に達し、その増加スピードは東京スカイツリーに設置されている不思議な高速エレベーターのように早かった。 

人々の注目と世論に誘導されるように、東京スカイツリーはもはや社会現象になっている。社会心理、文化的なイメージ、観光の魅力、都市イメージ、それに最も重要な経済効果を網羅している。東京スカイツリーがある墨田区はかつて2008年、ある試算を行っている。それは東京スカイツリーは年間2000万人の観光客を集客し、入場者数は550万人、周辺地域にもたらされる経済効果は800億円に達するというものだ。しかし、312のレストラン、大型水族館、プラネタリウムが入った東京スカイツリーが完工してみると、墨田区の予算は明らかに保守的だったことがわかる。建設主体である東武鉄道は、東京スカイスリー年間訪問者を3200万人と東京ディズニーランドの2500万人を超えると予想、東京での国内外観光客を引きつける最も魅力ある新しい名所になると豪語している。 

日本は長期間に不景気、社会消費不振の情況に陥り、東京スカイツリーの誕生及びその集客効果にいまだかつてない期待を寄せている。日本社会が東京スカイツリーに復興の希望を託している様子は、溺れたものが命からがら草を掴むようだ。公共交通の面からも、関東各地から東京スカイツリーへ向かうJR錦糸町駅の乗降客数は年間200万人といわれている。経済効果として10億円が増えるという。東武鉄道の運送事業は年間15億円を増収し、唯一、成田空港と東京スカイツリーを連結している京成電鉄は、年間6億円を増収すると見込んでいる。同じように、東京スカイツリーと東京ディズニーランドを連結する高速バスも2億円の増収の可能性があるという。スカイツリーの誕生で、地域経済を振興し、消費を活発することには明らかな働きがある。 

1958年、完工した東京タワーは日本の戦後経済高速成長時代の象徴だった。2012年にスタートした東京スカイツリーは「世界一」という触れ込みで、日本が谷底から這い上がる新しいシンボルになることができるか、これにはまだ時間経過による検証が必要だろう。しかし、東京スカイツリー開業ブームの高まりは、日本の様々な社会心理を投影している。これらは研究する価値がある。 

ネット保険会社のLifenetは東京スカイツリーの誕生についてある社会調査を行った。この調査結果は今の日本の社会心理をよく反映している。 

調査によると、日本が建設した「世界一」の東京スカイツリーに、6割以上の国民は感動している。7割以上の調査対象者は、ぜひ東京スカイツリーに見学に行きたいといっている。61.5%の人が日本の建設技術を誇りと感じており、38.5%の人が日本が「観光立国」となるシンボルであると感じ、36.8%が日本にとって久しぶりの明るい話題であるといっている。また、31.7%が東京スカイツリーの経済効果に対して期待している。更に、東京スカイツリーは「男のロマン」であり、男性の競争心を呼び起こすものであると感じている。多くの男性調査対象者は、これが日本が積極的に世界で高さを追い求めている1つの挑戦であり、「世界一」となることが日本と他国との競争で、誇りとなる結果であると思っている。 

しかし、東京スカイツリーの高価な入場料に対して、大部分の人が調整の必要があると思っている。男性が希望する平均価格は871円で、女性は793円だった。デフレ環境にあり、お金の感覚と節約消費の傾向が見て取れる。日本人が東京スカイツリーに上って、最も眺めてみたい景色は、富士山76.4%、東京タワー52.7%、東京湾35.1%、東京湾海底トンネルの海ほたる29.2%、国会議事堂12.1%、東京都庁11.4%の順だった。日本人が最も東京スカイツリーに登ってみたい、ライトアップしてほしい日は「クリスマス・イブ」と「除夜」で、ロマンチックに新年を迎えるのが理想だ。 

すべての建物はその時代の風潮と社会心理を反映する。東京スカイツリーもそうだろう。東京タワーの完工(1958年)から東京スカイツリーの着工まで、日本が経済の高速成長からスタグフレーション50年を経験して、東京スカイツリー完工から50年後、日本人の関心はどこにいくのか?日本人の心配が非常に集中しているのは、75%の人が心配している年金がトップ。2位は60%の高齢化、これに失業率、消費税率、少子化などが50%ぐらいを占めて続く。遠い未来、現在「世界一」と名高い東京スカイツリーは、一体日本の復興を象徴しているだろうか、あるいは日本の時代の終わりを意味しているだろうか?

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年5月31日

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