「オタク」と呼ばれる若者の中には、時間に余裕があり、インターネットを熟知しているという人が少なくない。一方、文字入力や画像の編集などの業務を請け負ってくれる人を必要としている企業も少なくない。このような需要と供給の一致が、「ネットパートタイマー」という新たな職業を生んでいる。筆者はこのほど、ネット取材でこのネットパートタイマーに迫った。上海の共産党地方委員会機関紙「解放日報」が報じた。
▽需要と供給が一致 費用は1件12円から
中国の大手ネットショッピングサイト「淘宝網」を見てみると、文字入力や画像制作、音楽のダウンロード、映画の検索などを請け負ってくれるショップが2000店以上ある。
あるショップは表計算ソフト・エクセルのデータ分析やデータ発掘、文字抽出、文字訂正、表の書式変換など、専門的なサービスを提供している。店主は「忙しいときは、1日に100件以上の注文が入る。数分で完成するものもあれば、数日、数週間かかるものもある」と話す。ほかにも、「不可能はない。思いつかないだけ」との宣伝文句を掲げ、書類処理や動画のダウンロードなどを1件当たりわずか1元(約12円)でしてくれるショップもある。このような「薄利多売」型のショップは、納品後に料金を支払うシステムを採用するなど、行き届いたサービスで顧客を引き付けている。
一方、ネットパートタイマーの需要側も企業から個人までさまざまだ。ネット上の掲示板では、国外のサイトで情報を探したり、ショッピングサイトで数量限定などで販売されるものを代理購入したりしてくれるネットパートタイマーを募集する書き込みもある。さらに、広告会社やネット関係の会社の中には、雑用をネットパートタイマーに任せる所もある。
この商機を逃すまいと、ネットパートタイマーと客を引き合わせる専用のプラットホームを立ち上げ、仲介料を取る業社も現れている。高いクリック率を誇るあるサイトの運営者は、「利用者は毎日激増している。立ち上げてまだ1カ月ほどだが、業務は絶好調」と声を弾ませる。同サイトは現在、難易度や所要時間に応じて業務を10段階に分け、それに基づきパートタイマーを分類し、「流れ作業」方式で効率を高めている。