中国の大学卒業生が就職活動真っただ中の6月、中国の経済誌「数字商業時代」は、IT業界で35歳になっても成功できていなければ、「タイムアウト」とする記事を掲載し、IT業界全体に物議を醸しだした。今、IT業界に入りたいと考える若者は多いが、同業界に現在携わっている人は自分の現状についてどんな見方をしているのだろう。彼らにとってどんなことが不安の種なのだろう。中国中央人民ラジオ局「中国の声」の番組「新聞晩高峰」が報じた。
ここ10年ほど、中国では、百度やテセント(騰訊)、アリババ(阿里巴巴)などインターネット企業の台頭が顕著で、大産業の一つとなっている。そして、社会経験のほとんどない若者でも同業界で成功を収めることができるという現象も起きている。実際に、胡潤(フージワーフ)研究院が5月24日に発表した若手の資産家ランキング「2012年胡潤少壮派富豪榜」でも、IT業界からのランキング入りが最も多かった。そのため、IT業界なら簡単にお金儲けができると考える人も多い。この点、大手不動産開発企業・華遠集団の任志強総裁は3月、IT企業のトップらが集うサミットで、「中国ではIT業界に携わっている人がいとも簡単に成功できるため、マイホームを買う人の平均年齢が20歳代にまで下がっている。この数字は、英国や日本、米国などよりもはるかに低い」と指摘した。