日本 文系卒業生の給料は理系より多い
世界に文系より理系が重視されるという現象はあるか。文学・歴史・哲学は経済成長にどのような貢献をしたか。「全世界中国語放送ネットワーク」の日本駐在オブザーバー、黄学清氏によると、日本の文系卒業生の給料は理系より多いという。
黄学清氏は次のように語った。日本は高校2年生から文系と理系に分かれる。しかし、分かれた後も文系・理系の両方の基礎を学ばなければならない。日本の国公立大学に入るには全国統一の試験を受ける必要がある。試験は文系・理系の学習内容を含み、成績を受け取ってから受験学校で学科の試験を受ける。この時の試験で文系・理系がはっきり分かれる。
日本では、人材募集時に専攻と合っているかはそれほど重視されず、能力さえあれば採用される。理系の学生は文系より仕事が見つかりやすく、理系卒業生は文系の仕事にもわりと簡単に順応できる。しかし、社会的権力の面、例えば企業の経営陣を見ると文系卒業生が理系より多いことなどは、理系を選択する学生がここ数年減っている原因の1つである。1万5000人の大学卒業生を対象に行った調査では、文系卒業生が理系より一生で5000万円多く稼げることがわかっている。
オーストラリア 理系卒業生は文系より就職が難しい
オーストラリアは中国と違い、文系より理系の学生のほうが就職が難しい。
全世界中国語放送ネットワークのオーストラリア駐在オブザーバー、胡方氏によると、オーストラリアの高校は文系・理系を分けず、すべての学生が自分の好きな科目を選んで大学入試を受ける。文系・理系の選択において、オーストラリアの状況は中国と正反対である。オーストラリアでは文系や商業系を選ぶ学生が多く、理工系を選ぶ学生は少ない。
オーストラリア移民局が毎年更新する不足している職業のリストによると、技師、建築士、ITなど専門的な理系の人材は極端な不足状態が続いている。また最新の調査によると、科学技術、工学、数学などの科目は日常生活と関係ないと考える人が増えている。そのうえ、理系卒業生の就職も文系より難しい。
米国 文系と理系を分けず、自由に選択できる
米国では、高校で文系と理系を分けないだけでなく、大学に入っても2年生まで授業を自由に選択できる。全世界中国語放送ネットワークの米国駐在オブザーバー、ホウ哲(ホウはやまいだれに龍)氏によると、学生が受験に成功するかどうか、文系を選択するか理系を選択するかは、米国の教育システム、さらには両親にとって大きな問題ではない。選択の基準は主に学校がある都市、家族との距離、奨学金を取得できるかなどである。入学後も専攻科目を変更できるため、入学時の選択はそれほど重要ではない。
入学後、すべての大学の必修科目に文系・理系の基礎がある。また、歴史、宗教、芸術、文学・教養、心理学などのほか、化学、物理学などもあり、このような定められた科目は学生の視野を広げることができ、基礎を学ぶ過程でもある。学生は入学して2年後に、新たに見つけた興味や個人の能力に合わせて専攻を選択する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月28日