中国では、雲南、貴州、四川、重慶など各地域における連日の降雨により、長江中・上流が増水期に入って以来の最高水位に達し、三峡ダムの流入・流出量が急激に増加していることが、長江海事局への取材で分かった。長江重慶、三峡、宜昌、岳陽の各海事部門は、管轄区域の船舶や埠頭が増水期を無事乗り切れるよう、今年初の洪水対策に向けた早期警報を発動させた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
上流で雨が降り続いたことから、4日午前8時の時点で、長江重慶の水位(航路水位、以下同じ)は16.22メートルと、先月30日より6メートル以上も上昇した。三峡ダムの流入量(毎秒)は、1日より1万3千立方メートル増の3万8千立法メートル、流入量は、同1万7500立方メートル増の3万9500立方メートル。三峡ダムの貯水水位も上昇が続いており、宜昌の水位は11.04メートルと1日比4メートル上昇、洪水警戒水位に迫っている。
長江中流・上流の水位もかなり上昇している。宜昌と沙市の水位は、ここ約5年の平均レベル(4.76メートルおよび2.38メートル)を超えた。今後数日間に三峡上流で洪水が発生する可能性はかなり高い。6日には2回目のピークを迎え、最高値は毎秒5万立法メートルに達する見通し。
長江重慶、三峡、宜昌、岳陽の各海事部門は3日、水位の急上昇と流速の加速が安全な船舶航行に及ぼす影響を最小限に食い止めるため、洪水3級・4級早期警報を発動させた。
このほか、長江重慶海事局は4日午前11時、三峡ダム地域の持続的な降雨によって地滑りや堤防決壊などが発生し易くなり、長江を航行する船舶の安全を脅かす恐れがあることから、地質災害4級早期警報を発動させた。
「人民網日本語版」2012年7月5日