専門家:資金不足の心配はない
中国の年金は財源不足に陥っていない。財源不足といわれているのには、2つの原因がある。第一に、全体計画にやや不備があるためである。年金財源管理は県レベルで水平的に実施されており、その結果、裕福な地区では金が余っている一方、貧しい地区では赤字になっている可能性がある。不足に対しては、国家財政による補てんが必要だ。年金の統一的な計画が省レベルにまで高まれば、この問題は解決される。
第二に、年金の個人口座がきちんと構築されていないためである。現行の年金保険制度は統一社会保険と個人口座が組み合わさったものであり、理論上は給与の8%が個人口座に入れられる。しかし実際は、大部分が空口座(空帳簿)となっている。全国の空口座を合算すれば、おそらく1.6~1.7億元の金額になるだろう。しかし個人口座には記帳の機能があり、現在の年金は個人口座の記帳に基づいて給付される。空口座でも年金の給付に支障がきたさないため、実際には年金の財源不足問題は存在しない。
全国的に見て、中国の年金の収支はバランスのとれた状況にある。毎年黒字になっており、2011年末までの社会保険基金の累計黒字は2兆8700億元だ。そのうち基本年金保険の累計は2兆元近くあるが、このお金は現在、まだ有効に使われていない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月17日