2011年9月現在、日本の警察が認定した「指定暴力団」は22団体に達している。このうち道仁会・誠道会・工藤会・太州会・福博会の5団体が、福岡県に本拠を置いている。福岡県は、日本の暴力団が最も集中している地方だ。
「一山不容二虎」(1つの山に2頭のトラは住めない)ということわざがあるが、福岡県という「山」にはなぜ「5頭のトラ」が住んでいるのだろうか。
まずは福岡県の県民性を見ていこう。日本は小さな島国だが、各都道府県の県民性には、独特・鮮明なお国柄がある。福岡県の県民性を一言で言い表すならば、「好戦的」だ。第二次世界大戦中、日本軍は「郷土連帯主義」を採用し、出身地に応じて部隊を結成した。福岡県と周辺地区の男性により結成された「九州師団」は、すべての戦闘において最も多くの手柄を立て、全日本公認の「決死隊」とされた。その後、日本には「九州男児」という言葉が増えた。この言葉は、死を恐れぬ野性的な男性を形容する。性格が運命を決すると言われるが、福岡県民は生まれつき血の気が多い。
次に、福岡県の地理的な特徴を見ていこう。日本は鎌倉幕府から明治時代に至るまで、一種の封建制度を敷いてきた。最も卑しい身分階級は、「穢多」、「非人」とされる労働者であった。彼らの子孫もまた、穢多・非人の身分しか得られない。この2つの身分は、漢字を見ただけでも蔑視と屈辱に満ちている。福岡県は石油時代前、日本一の石炭生産地であった。炭鉱という日のささない環境下で肉体労働に従事していたのは、穢多・非人とされた賤民たちだった。福岡県内には、穢多・非人の住まう部落がある。現在の日本人の中でも、かつての身分階級制度が根強く残っている。かつて穢多・非人とされていた人々の子孫は、現在も社会的な差別を受ける。自民党の野中広務元幹事長も部落の出身で、賤民の末裔として蔑視された。
2008年8月24日、野中氏はTBSの「時事放談」に出演した際に怒りを交えつつ、「かつて自民党総務会で、野中は部落出身者だから、日本の首相にするわけにはいかないと発言した者がいる」と語った。その発言者はほかでもない、福岡県出身の麻生太郎元首相だ。麻生氏の曽祖父は、日本で有名な「石炭の王」だ。
部落出身者はかつて教育を受ける資格を得られず、現在も社会から冷遇されている。このような扱いにより、彼らは幼い頃より反社会的・反政府的な心理を養っており、仲間とは固い絆で結ばれている。福岡県5大暴力団の太州会は、その最も典型的な例だ。
福岡県民の特殊な歴史的身分、さらに好戦的な「県民性」が加わり、福岡県は暴力団が最も形成されやすい土地となった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月16日