大学入学準備費用、20年で約100倍 中国
大学入学準備費用、20年で約100倍 中国。
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▽変わりつつある保護者の消費観
「入学準備消費」がこれほどまでに盛んになっている背景について、南京大学社会学院の胡小武・准教授は、「このような現象の背景には、さまざまな原因が隠されている。時代の移り変わりに伴い、子供の大学入学に伴う出費は避けられない。日常必需品の種類も拡大し続けている。大半の家庭は、子供が一人っ子であることから、子供に対する両親の関心と愛情が、入学消費の高まりをもたらす最も大きな要因となっている」との見方を示した。
保護者の朱秀華さんはこの問題について、「子供は12年間必死に勉強して、やっと大学に受かった。ご褒美として好きなものを買ってやりたい。子供が遠く離れた場所に行ってしまうとなると、親としては心配。身の回りの必要なものを一通り揃えてやれば、少しは安心できる」と話した。
各家庭の生活水準や購買力が高まったことも、入学準備消費ブームを後押しした。大学入学時の必需品の中身は、昔とは比べものにならない。新入生は入学時に、6-7千元(約7万3800-8万6100円)から多い場合は1万元(約12万3千円)使う。数種類の電子製品のほか、経済的に豊かな家庭では、子供に車まで買ってやる。北京師範大学の王英傑教授、「家庭の可処分所得が増加の一途をたどると同時に、市場経済が発達する状況で価値指向性が転換したことから、現在のような保護者の消費観が生まれるに至った」と指摘している。
また、各商店の販売合戦も、入学準備消費ブームの高まりと直接関係がある。胡准教授は「ネット上で盛んに売り出されている『入学大特価』であれ、実店舗の『新入生コーナー』売場であれ、いずれも消費を促すための商店の販売手法だ。商店のブランドマーケティング戦略は、保護者の購買意欲をかなり刺激している」と話した。