▽米国色と中国色のバランス取りづらく、合作映画は苦境に
楽視影業CEOの張昭氏は「合作映画への投資・制作比率が米国側より中国側の方が多いパターンでは、中国の映画制作関係者がハリウッドの映画製作の仕組みを学べるチャンスが増える。これは、中国独自の長期発展モデルを確立していく上で好都合で、中国映画の発展に有益だ」と指摘。フランスの巨匠ジャン=ジャック・アノー監督はかつて、「ハリウッドがやって来るのは、ただの金目当てだ」と言った。また「米国の映画人が合作映画に携わるのは、中国色を利用して世界中で金を儲け、中国市場から金をすくい取ることだけが目的だ」とあからさまに言い放った人もいる。
今年の上海国際映画祭には、米国色一色の映画以外に、「チベット・コード」や「重慶大爆撃」「ユダヤのピアノ」など、中国色が主体の合作映画も数多く出品された。中国側は、クランクイン前の準備、脚本の製作、キャスト選び、撮影から発給まで、一連の運営権を掌握していた。しかし、これらの映画には、まだ問題がある。張家振プロデューサーは、「飛虎」製作エピソードを例に上げ、「パイロット役の米国人役者に脚本を渡したところ、スクリーンにこんなに多くの中国人が登場すれば、米国人は観たいと思わないだろうと話した」と打ち明けた。この話は、中米合作映画が窮地に陥っている現状を露呈している。米国色が主体の作品ならば、ハリウッドに中国市場を独占されるという危機感が生じる。一方、中国色が前面に打ち出されていれば、グローバル市場でどれだけ受け入れられるかという問題が生じる。
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「人民網日本語版」2012年8月29日