中国の「教師の日」に当たる9月10日の前夜、上海市教育委員会は「今年より、上海では小中学校の教師資格の終身制を撤廃する」ことを明らかにした。今後、北京でも同様の変更が加えられ、教師資格の有効期限は登録後5年間になるという。中国のタブロイド紙「新京報」が報じた。
北京市教育委員会は同日、「すでに教育部の関連の書類を受け取った。北京も今後、教師資格定期認証登録制度を導入し、段階的に教師資格の終身制を廃止する」とした。同委員会の人事処の呉武・処長は「教育部の書類を受け取ったばかりなので、北京は具体的な実施方案が煮詰まっていない。各地の状況も異なるので、細かい部分に関しては、まだ検討が必要」とするにとどまった。
▽同政策の背景に政府の要求
国務院(政府)がこのほど発表した、「教師チーム構築強化に関する意見」によると、各教育委員会は「教師資格や参入許可制度を厳格化しなければならない。そして、『教師資格条例』を修正し、教師の学歴基準や品行、指導力に対する要求を高め、教師資格試験や定期登録制度を全面的に実施しなければならない」。この中の定期登録制度というのが、終身制を廃止するために導入される制度だ。
教育部師範教育司(局)の関連の責任者も昨年、「現在教職に就いているすべての教師は5年に一度の定期登録審査を受けなければならない。審査内容は、品行や業務内容、授業量などを含む。うち教師としての品行は最も重視される条件となり、1票の反対票で否決される『一票否決制』が採用される。品行を教師資格認定や定期登録、成果評定、職務任命、奨励の主要な根拠とし、健全な品格の習得を激励する構造を構築する。登録審査に不合格となった場合、その教師は教師資格を失うことになる」と語った。
一方、「教師資格条例」でも、「人を欺く行為や品行の問題などを理由に教師資格を剥奪された場合、剥奪された日から5年以内は、教師資格の認定を申請することができない」と規定されている。
「人民網日本語版」2012年9月11日